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2021.05.18 (火) 印刷する

【詳報】 特別座談会「ポール・ケネディ教授に聞く 米中・大国の興亡」

特別座談会/令和3年3月9日/国基研会議室(オンライン)

ポール・ケネディ教授に聞く 米中・大国の興亡

「過去五百年にわたる『大国の興亡』の歴史的な記録を見れば、おおむね妥当な結論がいくつか得られる」と、三十数年前、ケネディ教授は大著『大国の興亡』で結論づけた。その結論の第一は、大規模な軍事力を維持するには経済的な“資源”が必須であり、第二には、国際的な秩序に関するかぎり、“富”と“力”は常に相関するというものだった。その後、中国は軍備、経済ともますます力を蓄え、アメリカはやや停滞気味である。地理的、経済的、政治的に、中国とアメリカの間にある日本は、どう活路を見出すべきか。ケネディ教授の現状へ分析は如何? 白熱の議論は、米コネチカット州の教授の自宅と東京平河町の国基研をオンラインで結んで、3月9日に行われた。

登壇者略歴

ポール・ケネディ(Paul M. Kennedy)

歴史学者。イェール大学教授。1945年、イングランド北部のノーサンバーランド州に生まれる。英ニューカッスル大学を卒業、オックスフォード大学で博士号を取得。1970年に英イースト・アングリア大学の歴史学部に在籍し、1983年から米イェール大学歴史学部の教授に就任し、現在は同大学国際安全保障研究所所長。米プリンストン大学高等研究所および独アレキサンダー・フォン・フンボルト財団のフェローなども務めた。王立歴史学会、アメリカ哲学協会、アメリカ芸術科学アカデミーのフェローであり、2000年には歴史学への貢献が認められ、大英帝国勲章のコマンダー(C.B.E.)を授与され、2003年に英国アカデミーのフェローに選出。著書に『大国の興亡: 1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争』(草思社)のほか、『人類の議会―国際連合をめぐる大国の攻防』(日本経済新聞社)、『第二次世界大戦影の主役―勝利を実現した革新者たち』(日本経済新聞出版社)、『イギリス海上覇権の盛衰』(中央公論新社)など多数。

櫻井 よしこ(さくらい よしこ)

ハワイ大学卒業(アジア史専攻)。クリスチャン・サイエンス・モニター紙東京支局員、日本テレビのニュースキャスターなどを経て、フリージャーナリスト。平成19年(2007年)に国家基本問題研究所を設立し、理事長に就任。大宅壮一ノンフィクション賞、菊池寛賞、フジサンケイグループの正論大賞を受賞。「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会(通称、民間憲法臨調)の代表を務めている。著書は『言語道断』『親中派の嘘』『一刀両断』『愛国者たちへ 論戦2018-2019』『問答無用』『韓国壊乱 文在寅政権に何が起きているのか』『朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す』『チベット 自由への闘い』『日本の未来』『日本の勝機―米中間の変化に果敢に向き合え』など多数。

田久保 忠衛(たくぼ ただえ)

昭和8(1933)年生まれ。早稲田大学法学部卒。時事通信社でワシントン支局長、外信部長、編集局次長などを歴任。杏林大学社会科学部教授(国際関係論、国際政治学)、社会科学部長、大学院国際協力研究科長などを経て、現在名誉教授。法学博士。国家基本問題研究所副理事長。正論大賞、文藝春秋読者賞を受賞。産経新聞社の「国民の憲法」起草委員会委員長を務めた。著書は『戦略家ニクソン』『米中、二超大国時代の日本の生き筋』『憲法改正、最後のチャンスを逃すな』など多数。

櫻井 今日のシンポジウムにはケネディ教授にご参加いただきました。ありがとうございます。世界が激変しているなかで、ケネディ教授と共にこれからのアメリカ、中国、世界情勢、日本について論じたいと思います。最初にケネディ教授にお話しをうかがいます。

ケネディ あなたや田久保先生とこうしてまたご一緒しながら、今日の国際問題で最も重要なテーマである中国の台頭や米国の相対的な位置、国際的な勢力構造の変化、さらに、むろん、そうした変化の真只中にある日本の立場などについて議論できることを大変光栄に思います。本題である現在の状況分析に入る前に、まず私の方から大国の興亡とその歴史的背景に触れながら、未来を考える意見を少し述べさせてください。大国は時間をかけながら勢力を拡張し、相対的により強力な存在になってきました。これに対し他の国々は相対的に弱体化、衰退し、時には不運にも抗争で敗北することもありました。このことは今日も進行している物語でもあります。

もし世界史を五百年遡ってみれば、中国は最大、最強の国家でした。ヨーロッパは小国で小さな王国ばかりだったし、米国はまだ存在すらしていない状況だった。しかし、時間の流れに伴って、ヨーロッパの国々は他の地域より早く、経済的、生産力においてもよりよい状態に組織され、彼ら自身が戦争や勢力拡張に向かうように組織されていった。一九世紀になると、地球の大半を支配するいくつかの大国がその立場を確立したほか、世紀末までに国際システムの中に新興勢力として近代化した日本や、より強力で独立した大国になった米国が登場することになりました・・・
 

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ポール・ケネディ教授に聞く 米中・大国の興亡

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