2月28日(木)、国家基本問題研究所は、定例の月例研究会を東京・内幸町のイイノホールで実施しました。
今回のテーマは「ついに原発の技術を失う日本~日立問題に学ぶ~」です。わが国にとってきわめて重要なのに、あまり人気のないテーマ設定で、その上、当日は冷たい雨にたたられたにもかかわらず、想像以上に多くの方々にご参加いただきました。
登壇者には、萩生田光一自民党幹事長代行、原子力問題のエキスパート・奈良林直北大名誉教授と元動燃国際部長の桂川氏を迎えました。
研究会は予定通り午後6時30分の定刻にスタート。櫻井よしこ理事長が司会を務め議論をリードしました。
まず萩生田議員が、本題に入る前に、不発だったベトナムでの米朝会談について時宜を得た報告を行いました。
その後、話題の争点は半島の核兵器から、わが国の原発問題という本題へ。
櫻井理事長が核燃サイクルについてポンチ絵を使い、技術的な側面を含め優しく解説。それを受け奈良林教授がスライド資料を使いさらに詳しく説明しました。高速増殖炉もんじゅの燃料設計を担当した技術者でもある桂川氏が、町工場の実態を報告。モノづくりの現場では人手不足が深刻で、政府の支援もなく将来展望が開けない原子力技術の継承は、きわめて困難な状況にあることを具体例とともに解説。このままでは、わが国の原子力関連技術に限らず、モノづくりの伝統自体が根絶するのではと警鐘を鳴らしました。
その他に話題は、再生可能エネルギー、化石燃料、CO2による環境変化など、多岐にわたり、最後に萩生田議員から、わが国は福島第1原発事故という貴重な失敗事例を糧に、安全技術で世界をリードする役割があると力強く政治の責任を語り、会場から喝さいが送られました。
詳報は後日、「国基研だより」や国基研ホームページで。
(文責 国基研)