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2021.08.05 (木) 印刷する

月例研究会 「危機感なき日本の正体 ― 菅政権への注文」 開催

8月3日(火)、国家基本問題研究所は、定例の月例研究会を東京・内幸町のイイノホールで開催。東京都への4回目の緊急事態宣言発令下、今回も前回同様関係者以外は無観客とした。

今回のテーマは「危機感なき日本の正体 ― 菅政権への注文」

東京オリンピックが行われている最中、日米台戦略対話が行われ、日米台の協力が確認された。しかし先の日米首脳会談で、菅首相は日本の防衛努力を拡大することを宣言したものの、その具体策は未だ目に見えない。それどころか、尖閣諸島周辺海域は中国海警船の庭と化し、北方領土にロシア首相が上陸、軍事演習も相次いだが、なんら有効な対抗措置を打ち出せていない。

主権が脅かされているわが国は、本当に独立国家としての矜持があるのか。戦後日本の最大の宿題である憲法改正を為さず、コロナ禍に翻弄されるがまま、ただ国益が侵食されるのを待つばかりの政権には、多くの国民が失望しているのではないだろうか。

そこで今回は危機感なき日本の、国家としての本質は何かを問い直し、現政権に対する期待を込めて、様々な観点から注文をつけてみたいと考えた。

この問題を語る登壇者は、先崎彰容・日本大学危機管理学部教授、ジェイソン・モーガン・麗澤大学准教授、有元隆志・月刊正論発行人という3人の論客で、司会は櫻井よしこ理事長。

モーガン氏はまず、日本の領土が危機にある現実に直面しても平和ボケのままであると鋭く指摘。先崎氏は幕末の水戸学者・会沢正志斎の『新論』を引用しつつ、現政権には大きな国家像の提示がないと喝破した。有元氏は政治家の資質を糺し、今こそ一人前国家になる絶好の機会とした。

櫻井理事長は議論をまとめ、現在の国の姿は異常で、ここから抜け出すには国民全体が覚醒する必要がある。政権への厳しい注文は国民自身が負うべき課題なのだと締めくくった。

今回、コロナ禍の影響でステージ上には2名が登壇、2名がモニター画面に登場という月例研究会では異例の試みだったが、オンラインとリアルの同時進行は日本研究賞の経験もあり、問題なく実施された。

詳細は後日、「国基研だより」や国基研ホームページで紹介します。ご期待ください。

(文責 国基研)