公益財団法人 国家基本問題研究所
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2012.06.05 (火) 印刷する

国基研代表団がベトナム訪問

国家基本問題研究所の櫻井よしこ理事長ら6人の代表団は5月2日から7日までベトナムの首都ハノイを初訪問、ベトナム外務省首脳と会談、ベトナム外交学院や社会科学院中国研究所と意見交換した。

意見交換の中心テーマは中国、特に南シナ海の領有権問題だった。国基研代表団側には、フランスとの植民地闘争、アメリカとのベトナム戦争、さらに1979年の中国軍との戦いなど勝ち抜いてきたベトナム側の強さを期待していたが、ホー・スアン・ソン筆頭外務次官をはじめベトナム側には自らの弱さを強調するなど極めて慎重な発言が目立った。

ただ、ベトナム側は南沙諸島の島々に兵士家族を住まわせ、学校、診療所なども設ける「国民防衛」を進めて実効支配を強めるなど打つべき手を着々とうつ面もある。初めて会う人にはなかなか胸襟を開かないベトナム人というが、中国との抗争の歴史に明け暮れたしたたかさも垣間見えた。

中国の多国間を嫌い、あくまでも二国間の交渉を求める「分割と統治」のやり方に対しては、関係国間の認識の共有と連携が重要である。外交学院所長のホアン・アン・トゥアン氏は「今回の意見交換をきっかけに大いに交流を深めていきたい」と強調した。国基研は社会科学院とも交流を進めることで一致した。

代表団はこのほ谷崎泰明在ハノイ日本大使ら西側外交関係者、在ベトナム日系企業代表らとも意見交換した。

国基研代表団には櫻井理事長のほか、田久保忠衛副理事長、斎藤禎理事、大岩雄次郎、冨山泰、石川弘修の各企画委員が参加した。

詳報は後日掲載致します。
 

ホー・スアン・ソン筆頭外務次官と櫻井理事長