公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

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2022年11月の記事一覧

11月22日、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の報告書が提出された。9月、有識者会議の構成員が発表された際、自衛官OBが入っていないことに違和感を覚えたのは、筆者だけではない。「防衛力を考える」のに、防衛力の中核である自衛隊の現場の声は必要ないのかと。 この会議はもともと財務省が主導したものであり、防衛費を国内総生産(GDP)の2%にどう「見せかける」か、「財源確保」をどう担...

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11月22日に「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の最終報告書が公表された。「総合的」とうたいながら、会議の構成メンバー10人に国防の現場を知る元自衛官が1人も入っていないという人選の不健全さから、満足できる結果が出てくるようには思えなかったが、まさにその通りであった。報告書の問題点を幾つか指摘したい。 核の「か」の字も出てこない ロシアがウクライナの戦場で核兵器を使用する...

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11月13日、カンボジアのプノンペンで日米韓3国首脳会談が行われ、共同声明が発表された。声明は北朝鮮に対する3国の結束を確認するとともに、中国の一方的な現状変更の試みに反対し、台湾海峡の平和と安定を維持すべきことを強調し、半導体などにおける経済安全保障の重要性に詳しく言及した。 こうした声明に韓国が足並みを揃えることは文在寅政権の時には考えられなかった。日米韓の関係強化は東アジア情勢が緊張を...

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病膏肓やまいこうこうに入いる―という慨嘆こそふさわしいかもしれない。11月初めのショルツ・ドイツ首相の「北京詣で」である。 昨年のドイツ海軍フリゲート艦の日本寄港や今春のショルツ首相訪日、日独外務・防衛閣僚会合(2プラス2)定例化などによって、伝統的な親中路線に変化が生まれたかに思われたドイツのインド太平洋外交だったが、ショルツ首相は旧態依然と受け止められる対中「朝貢外交」を再開してみせた。...

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11月10日から19日までの予定で、今年最大の日米共同演習キーン・ソードが実施されている。陸海空自衛隊員約2万6000人と米軍約1万人が南西諸島を舞台に大演習を行う。 10日に海上幕僚監部の幹部から「沖縄の港湾に入港できなくなるような雰囲気になっている」との話を聞いた。沖縄の港湾施設を管理する部署に入港申請を出しても「岸壁が開いていない」とか「舫もやい(岸壁に係留するためのロープ)を取る作業...

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