2025年9月の記事一覧
「政府認定」は拉致被害者のごく一部 荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)
9月22日から25日まで、特定失踪者家族会(北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者家族有志の会)の竹下珠路事務局長、吉見美保副会長、森本美砂事務局次長がジュネーブを訪問し、国連の強制的失踪作業部会で陳述した。私も同行したが、東京からジュネーブまで、ドバイ乗り換えで1日近くかかる。お三方にとっては相当の身体的負担だったはずだが(正直、私も結構きつかった)、それは裏を返せば相手に伝わるものがあっ...
麻薬密輸船攻撃に見る米国の変質 黒澤聖二(元統合幕僚監部首席法務官)
9月2日、カリブ海南部で、ベネズエラから出港した麻薬密輸船とされる船舶を米軍が攻撃し11人を殺害したのに続き、15日には2回目の攻撃で3人を、19日には3回目の攻撃で3人を殺害した。 米軍によるこれらの攻撃は、国際法および米国の国内法に抵触する可能性が濃厚だ。法的問題を整理するとともに、対策を考えてみたい。 国際・国内法違反の疑い濃厚 国際法の面では、例えば海洋法条約(1982年)は...
「海行かば」は鎮魂歌 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
宝塚歌劇団は9月24日、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で10月26日まで上演中の宙(そら)組公演のショー「BAYSIDE STAR」で、「海行かば」をソロ歌唱するシーンについて、24日から歌唱を取りやめると発表した。その理由として「軍歌はエンターテインメントにふさわしくない」といった批判が寄せられたためと報じられている。 筆者は元海上自衛官として、大東亜戦争の日米海戦海域で写真のような洋上慰霊祭...
防衛有識者会議の提言に賛成する 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
9月19日に「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」(座長・榊原定往元経団連会長)の提言が公表された。元自衛官として、とりわけ次の2点に関して賛成の意を表したい。一つは、非戦闘目的の5類型(救難、輸送、警戒、監視、掃海)に該当する防衛装備品のみ輸出を認めてきた現行ルールの緩和要請であり、二つ目は潜水艦への長距離ミサイル搭載の意義に言及し、原子力潜水艦を念頭に「次世代動力」の導入を主張した点である。...
タイフォン・ミサイルシステムの展開を歓迎 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
米軍が新たに開発した地上発射型の中距離ミサイルシステム「タイフォン」を日本に初めて展開させ、15日、山口県岩国市の米軍岩国基地で報道陣に公開した。11日から実施中の自衛隊との大規模共同演習で、九州や沖縄などの離島防衛を想定した訓練のためとしている。 これまで米国は、冷戦末期の1987年に旧ソ連と結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約により、地上発射型の中距離ミサイルを配備できなかった。それを尻...
「戦争」や「攻撃」の忌避から脱却せよ 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
9月5日、米国のトランプ大統領は、国防総省を「戦争省」に改称する方針を示した大統領令に署名した。日本では、また狂った大統領が奇妙なことを言い出したと受け止める向きが多いが、米国では建国間もない1789年から第2次世界大戦直後の1949年まで、この官庁の名称は一貫して戦争省であった。 War Collegeの奇妙な和訳 米国の首都ワシントンにある国防総合大学(National Defen...
中印関係に目立った進展なし 近藤正規(国際基督教大学上級准教授)
8月31日と9月1日、中国の天津で上海協力機構(SCO)の首脳会議が行われた。新興・途上国「グローバルサウス」の反米化を先導したい中国にとって、SCO首脳会議をこの時期に自国で開催できるというのは願ってもないことであった。首脳会議では、習近平国家主席が「冷戦思考、陣営対抗、いじめ行為に反対する」と述べて加盟国に結束を呼び掛けた。中国はSCO開発銀行を早期に設立して年内に20億元(約400億円)の資...
NHKの悪意ある印象操作 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
8月16日と17日にNHKは「シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜」を放映した。番組では、日米開戦前に設立された首相直属の「総力戦研究所」が日米戦争に踏み切れば日本必敗というシミュレーション結果を出したのに対し、所長であった飯村穣陸軍中将が所員の自由な議論を阻害し、結論を覆す圧力をかけた人物として描かれている。お決まりの軍人イコール好戦主義者というNHKのイメージ操作によって史実が歪められている...






