公益財団法人 国家基本問題研究所
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役員論文

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2012年 8月の記事一覧

非礼『韓国』に抗する究極の策がある  櫻井よしこ   竹島、尖閣諸島、北方領土。戦後最大の危機はなぜ一挙に起きたのか。答えは明らかである。自国の防衛を他国に依存し、自らは出来得る限り軍備を退けてきた戦後体制のツケが噴出し始めたのだ。 国際関係の基本は軍事力にあるという平易かつ明白な原理も、アジア・太平洋に高まる緊張も見ようとせず、特にこの10年日本のみ、ひたすら軍事力を削減してき...

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外交は戦いである 全力で国を守らなければならない   櫻井よしこ     戦後最大の危機である。 北方領土、竹島、尖閣諸島から、日本の主権が切り崩されていきかねない。この最悪の状況は、自民党時代からの日本外交の失敗に基本的原因がある。とはいえ、国家観なき民主党政権誕生以来、特に際立ってきた。 外交は戦いである。背景には常に武力がある。どの国も自国の国益擁護に十分な武力を備えている...

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生誕百年、福田恆存が放つ光彩  拓殖大学大学院教授・遠藤浩一   今年は「大正百年」にあたる。  百年前(1912年)の7月30日に明治天皇が崩御されると、即日、践祚(せんそ)・改元され、ほぼひと月後の8月25日に、戦後を代表する知識人の一人、福田恆存(つねあり)が生まれている。  ≪変わり目の年に生を受けて≫  明治から大正へと御代がわりしたそのときに、近代日本の宿命と苦悩につ...

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官邸デモ、漠とした反体制の空気  櫻井よしこ   永田町の首相官邸周辺で金曜日毎にデモが行われ始めて5ヵ月目に入った。当初数百人規模だった参加者は大飯原発の再稼働が決定された6月以降増え始め、6月29日には15万~18万人に上ったと主催者は発表、他方警視庁は1万7千人と発表した。   7月30日の「朝日新聞」社説はデモに関して、「1960年の安保闘争から半世紀。これほどの大群衆が、政...

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原発事故後の対策の拙劣さが感情論を高めてしまっている  櫻井よしこ   2020年に原子力発電の割合をどの水準に定めるべきかについて国民の意見を聞く聴取会が8月1日、福島県で開かれた。意見を述べた30人のうち28人が、30年かそれ以前に、原発をゼロにするよう求めた。 「自分たちのような故郷を失って行き所のない人をもう、出さないでください」と訴えた男性をはじめ、どの人の意見も直接の被害者の...

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竹島で経済問題のリンク考えよ  東京基督教大学教授・西岡力     韓国の李明博大統領が10日、竹島(韓国名・独島)への上陸を強行した。日韓の友好関係を壊す暴挙であり、強く抗議したい。    ≪日韓友好の精神踏みにじった≫    韓国大統領府(青瓦台)高官は10日、「日本政府は防衛大綱および防衛白書、外交青書を通じて独島に対する領有権を継続的に主張しており、小...

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終戦67年 戦後4度目の憲法改正の機会だ  杏林大学名誉教授・田久保忠衛    ≪福田恆存が喝破した欺瞞性≫    昭和50(1975)年5月19日付の「サンケイ新聞」に、福田恆存氏は「憲法の絶対視に異議」と題する一文を書き、「私の知人の間でも、現行憲法のごまかしを認めている者がかなりゐる。が、その大部分はそれを公の場所で言ふべきではない、或(ある)いはまだその時期では...

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日本の自画像を描け  櫻井よしこ    なんともどかしい政治だろうか。税と社会保障の一体改革に関する3党合意の民自公の駆け引きはなんら心に響いてこない。一連の議論に、国家、国益によって立つ思想が少しも見えないからだ。  首相が政治生命をかけると繰り返した一体改革が潰れていたら、国益はどれほど損なわれていたことか。日本の政治は全く無力だと、国際社会にさらけ出すことの負の影響を、政治家はど...

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終戦67年 単身世帯の急増は亡国への道だ  拓殖大学総長・学長 渡辺利夫   日本の人口動態を多少なりとも子細に観察してみると、社会存立の基礎的単位である家族が崩壊の危機に瀕(ひん)しており、これによって共同体と国家が再生不能なまでに貶(おとし)められかねない不気味な様相が浮かび上がってくる。危機を象徴するものが、単身世帯の急増による後継世代再生産メカニズムの毀損(きそん)である。 ...

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美智子さまが深められた日台の絆  櫻井よしこ   年2回出版の『台湾歌壇』154輯が、7月、台湾から送られてきた。同歌壇は台湾の日本語世代の歌人、呉建堂氏が『台北歌壇』として1968年に創設したのが始まりである。 呉氏は26年生まれ、旧制台北高校から台湾大学医学部に進み、71年には熊本大学医学部より学位を授与されている。多くの病院の院長を務めた氏は、まさに文武両道の人だった。剣道八段...

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現在の中国はいかにしてできたか 特異な隣国についての自覚を促す書  櫻井よしこ   少々前の本だが、あまりに興味深くて、書かずにはいられない。『もし、日本が中国に勝っていたら』(文春新書)である。著者は趙無眠氏、ネット上にしか存在しないペンネームだ。日本語訳は富坂聰氏。 「まえがき」で富坂氏は同書が中国で、少なくとも知識人の間では、驚くほど広く読まれていると指摘し、趙論文が、「天使か...

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感情的反発に傾くNHKのオスプレイ報道  櫻井よしこ   7月23日月曜日のNHK『ニュースウオッチ9』(以下、「9」)の米軍の新型輸送機オスプレイ報道はひどい内容だった。キャスターの大越健介氏の報道人としての見識を疑い、「9」そのものが、報道番組であることをやめてNHKの主張を展開する場へと変質したのではないかと感じた。 「9」の報道は、午前5時すぎの海上でオスプレイ積載の貨物...

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