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2013.07.11 (木) 印刷する

韓国人の対日無知に驚く ジェームズ・アワー米ヴァンダービルト大教授

 ジェームズ・アワー米ヴァンダービルト大教授は6月21日、国家基本問題研究所で日韓関係や第二次オバマ米政権の評価などについて語り、同研究所企画委員と意見交換した。アワー教授は、訪韓の帰途、立ち寄ったもので、韓国で会った政治家や官僚が歴史認識で一方的で、日本にたいして余りにも無知なことにショックを受けたとさえ述べた。
 アワー教授は、元米国防総省の日本部長で、現在同大の日本研究センター所長を務めている。また、国基研の客員研究員でもある。
 この中で、アワー教授は、まず、主要な韓国のメディア報道は、日本の沖縄タイムズや琉球新報と同水準に思われる、と指摘した。また、「なぜ韓国は98年の日韓共同宣言(当時の小渕恵三首相と金大中大統領が新たな日韓パートナーシップ構築をうたった)を推進しないのか」と質問すると、返って来る回答はきまって「我々は宣言を支持しているが、日本が状況を変えてしまった」というものだ。アワ-教授が会ったのは限られた人数の韓国人だが、いずれもそれ相応の立場の人々である。彼らがまず第一に主張するのは、日本の慰安婦問題だ。同教授によると、彼らの理解は「日本政府による韓国人女性の徴用」であり、韓国人よりもずっと多くの日本人慰安婦がいた事実を教えられると、びっくりする。教授の知る限り日本軍による組織的な徴用などなかった。また、多くの女性は家族によって売られたが、そのことを知らされていなかった。こうした事実を教授が会った韓国人は知らなかった。そのこと自体が教授の驚きでもある。
 第二に、竹島問題である。彼らはすぐ竹島問題を取り上げるが、教授が「日本は自衛隊を送って竹島を取りに来ませんよ。あなた方が兵員を駐在させているじゃないですか。ゆったり構えたらいかがですか」と言うと、彼らは一様に驚いた様子を示す。日本は国際司法裁判所に持ち込む用意はあるが、韓国は応じないだろう。ここにあるのは、韓国人の強い感情だけである、と同教授は表現した。第三の問題は、鳩山元首相と同種の問題で、韓国がアメリカとの関係を維持する一方、中国とも平等な関係を築きたいとうもので、心配の種である、と教授は指摘した。同教授は韓国側に対し警戒を促したという。というのは、中国の核心的利益は、チベット、台湾、南シナ海、尖閣諸島、沖縄の後、韓国に向けられると思われるからだ。
 アワー教授は、ヴァンダービルト大学の教え子で、卒業後、組織の財務担当をしている韓国人が「多くの韓国人には劣等感がある。多くは日本に対し、次にアメリカに対してである」と述べたという。
 また、第二次政権に入ったオバマ大統領の評価について、アワー教授は、1)同大統領はシカゴ地域の弁護士であり、国政に携わったのは上院議員一期だけ。外交、安全保障についてほとんど知らない。自分の政策がない2)振り返ってみると、評判の悪かったクリントン政権の方がまだましだった3)アメリカの白人社会は黒人に対しある種の罪の意識を持っている。黒人に対し偏見があると思われたくない。特にメディアにひどく、オバマ氏をインテリで、先見の明があるとさえ持ち上げ、当選に大きな役割を果たした4)オバマ氏は学校の成績を決して公表しない。氏は、演説の際、必ず(電子装置を使って原稿を液晶モニターに映す)テレプロンプターを使う。使わないと、スムースに演説が出来なくなる、特に外交問題でだ、と述べた。
 アワー教授はさらに、オバマ大統領は困難な外交、安保問題に直面しても、何も手を施さない傾向がある、無視してしまうという。大西洋に比べ太平洋地域の重要性が増しているのは確かだが、アメリカの財政状況の中で、オバマ政権がどこまでできるか。日本の安倍政権が国防支出を増やすことが期待されている、とアワー教授は強調した。(文責・国基研)

                          

13.6.21