【政策提言】 国益を基準にする外国人政策を確立せよ
しかし、それは日本の国状に適しているとは言い難い。
欧州の失敗に学び外国人労働者問題についての発想を根本的に変える時だ。
外国人を受け入れるのは第一にわが国の国益のだめだという哲学を確立する必要がある。同時に日本に来る外国人にとっても幸福な結果になるよう、双方にとって良い結果を生み出す決意を固めなければならない。
そこで国基研は、外国人政策について、以下の通り提言する。
国家基本問題研究所
外国人政策研究会
政策提言
人手不足解消のために外国人労働者を増やす政策が次々に実施されている。その結果、在留外国人が増え続け全人口の3%、340万人となった(令和5年)。法務省の行政措置で要件が大幅に緩和されたため永住許可者が増え続け、90万人(令和5年)となった。その結果、すでに一部の地域では教育・福祉などの負担過重、地域社会との摩擦といった社会的コストが顕在化している。このまま外国人が増え続ければコストもまた増え続ける。ここで一度立ち止まり、国益を基準にする外国人政策を確立すべきだ。
1. 国益を基準にする外国人政策を確立せよ
・外国人基本法を作って、外国人受け入れはわが国の国益を判断基準とするという原則を確立せよ
・外国人単純労働者の受け入れと国民経済全体の関係、外国人労働者の増大による社会保障や教育などの社会費用拡大、日本人単純労働者の柔軟な働き方などについて、国民的議論を主導せよ
2. 永住許可の急増を止めよ
・活動無制限・家族在留可能な在留が無期限で認められる永住許可制度を国益の観点から見直せ
・平成10年の永住許可要件の大幅緩和(日本在留20年を10年に短縮)は国益の観点が欠落している、平成30年の入管法改正付帯決議に基づき永住許可の要件を日本在留20年に戻せ
・その上で、期限をつけて更新のたびに国益の観点から審査できる定住制度への一本化を検討せよ