公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

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2023年4月の記事一覧

岸田文雄首相は日本学術会議会員の選出方法を改善するための法案提出を先送りした。学術会議の激しい反対に配慮したものだ。学術会議は政府機関で会員は特別職国家公務員であり、定員210名、任期6年で3年ごとに半数を改選する。法案成立が遅れるため、今年予定される改選は批判のある現行方式のまま行われる。 ストップした自己改革 会員の選出方法はこれまでに何度も変わった。当初は科学者による選挙だったが...

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昨年11月のショルツ独首相による「朝貢外交」がまだましに見えるほどの外交的惨事である。今般のマクロン仏大統領の訪中は、台湾への威嚇のレベルを一段と高める習近平中国国家主席の歓心を買うばかりか、中国を鼓舞し扇動するかのような危険なシグナルとなった。 「台湾は欧州の問題ではない」 中国の台湾武力侵略を抑止しようとする関係国の苦心をあざ笑うかのようなマクロン氏の「暴言」を改めてここに掲げる。...

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4月3日に米NBCニュースは、米政府高官2人とバイデン政権の元高官の話として「2月にアメリカを横断した中国の気球は、軍事基地における電子信号をリアルタイムで北京に送信し、時には8の字を描くように飛行していた」と報じた。 これに対して、我が国では自国の安全保障に直結する問題だという報道や識者コメントがなかったように思われる。しかし筆者は我が国の安全保障にかなり影響のある問題と認識している。 ...

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3月29日から4月1日まで台湾を訪問し、台湾在住の邦人、具体的には台湾の人と結婚し、台湾で仕事をしている日本の民間人と台湾有事について話をした。 考えてみれば至極当然の反応だが、「台湾有事は日本有事」という安倍晋三元首相の言葉は、台湾在住邦人の心を大きく揺さぶっていた。 放置される不安 台湾在住邦人の反応は大別して三つだった。 一つ目は、安倍氏の発言のおかげで、日本と台湾の...

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対立してきたサウジアラビアとイランが先月、中国の仲介により外交関係を正常化させる合意に達したことは、米国の中東での影響力低下を印象付けた。米国主導の世界秩序が中国とロシアの挑戦を受ける中、中東では新たな地域秩序が構築されつつある。 中国が本格的な仲介外交を中東で成功させたのは初めてであり、シリア内戦に軍事介入したロシアがウクライナ戦争に忙殺されて中東での影響力を減らす中で、中国の存在感が際立...

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