7月24日、総合安全保障プロジェクト月次報告会を開催した。
冒頭、岩田副理事長が今回の報告にある各事象を総合的に見て『中国の「準戦時圧迫構想」』として、その概要を説明した。それを受け中川真紀・国基研研究員が「15次五カ年計画開始後の日本周辺海域の中国公船の動向」について報告し、黒澤聖二・国基研理事が法的側面から補足説明を行った。続けて中川研究員が「SLBMの太平洋への試験発射」について報告し、引き続き吉田正紀・元防衛大臣政策参与がオンラインで「米中リバランスの始動?過去からの警鐘」を説明した。

第1部は国会議員に向け、第2部は主要メディアに向け発表及び報告し、参加した議員、記者、企画委員らの質疑に応じた。以下、その概要を簡単に紹介する。
【月次報告】
国会議員向け(午前8時~9時30分)、メディア向け(午前11時30分~午後1時)
報告会では、出席記者からの質問に答える形で補足説明が行われ、活気ある議論が展開された。質疑応答の一部を以下に紹介する。
【質疑応答】
Q: 海警船に加え「海巡」も軍事統制のもとで活動しているのか。
A: 海警船は中央軍事委員会による軍事統制を受けるが、「海巡」は国務院隷下の交通運輸部(行政機関)の統制を受け、指揮系統は分かれている。しかし、実際の航跡などを見ると密接に連携して行動していることが認められる。
Q: 台湾やフィリピンは距離的に中国に近く圧力を受け易い。両国は実際どのような姿勢で対峙しているか。
A: 台湾は現在の頼清徳民進党政権が、中国には属さないという明確な姿勢を示している。フィリピンのマルコス政権は米国に対し協力的で、中国がASEANの中でフィリピンを孤立させる戦略をとる中、豪州や日本など域外勢力とも連携して対抗する姿勢を示している。
Q: 中国海軍のSLBM発射の際、米国の反応は抑制的だったが、当時の米国内の雰囲気について伺いたい。
A: 厳しく反応したのは国務省のみで、その他は大きな反応を示さなかったのは事実である。今は中国を刺激したくないということのようだ。少なくとも今秋予定される米中首脳会談までは、問題があっても騒ぎを大きくしないのではないかと思う。
Q: 単純な質問だが、今回のSLBM発射ではSSBNは浮上していたのか。
A: 実際、浮上していたか否かは不明だが、基本的に潜没状態で試験発射を行わなければ実戦に近い発射訓練にはならない。実効性の確認という意味では、潜航したまま発射したものと思われる。
この総合安全保障プロジェクトの月次報告会・記者向け報告会は、今後とも毎月末を目途に継続実施していく予定である。 (文責 国基研)