2012年3月の記事一覧
政治家が国家ビジョンをまず示せ 会員 児玉朗
TPP参加問題にしても原子力の電力利用の是非にしても、そこに横たわっている真の問題は、共に我が国の10年後、50年後の姿を政治家が国民に提示していないため、政官財のそれぞれの立場の人が、今までの既得権益の延長線上で各々論じていることに由る。 日本の失業率,非正規雇用者数および年金受給者数などの数値が右肩上がりの現状をみれば、従前と同じ発想では国を維持できないことは誰がみても明白であり、その破...
TPPへの疑問点に答えます 山下一仁キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
TPP(環太平洋連携構想)については、国基研にもさまざまな疑問が寄せられました。平成23年10月にTPP推進の立場から報告書をまとめたキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹に、回答してもらいました。 1、TPPは国を売り飛ばす? 【疑問】 TPPは日本の社会秩序を変え、国柄を変えてしまう危険な内容を含んでいます。TPPは日本にとって亡国協定となる恐れが大きいのです。TPPは金融...
首相は「国体護持」を表明せよ 会員 児玉朗
環太平洋経済連携協定(TPP)参加の是非が国論を二分している要因の一つに、国体がさらに脅かされるのではないかという危機感がある。野田佳彦首相は「国益は守る」という抽象的な発言でなく、国益の定義を国民に説明し、不安と危機感を払拭するため、「国体を護持する」とまず表明すべきである。 その上に立って、TPP自体が国の独立に関わる由々しき問題を抱えていることから、国益を損なうと懸念される全ての事項を洗...
首相に日本を守り抜く覚悟はあるか 会員 森岡敬介(60歳 医師)
2670年の日本の歴史の中で、人々は信頼と敬愛を寄せる天皇の御心を成就すべく励み、互いに気遣いながら助け合い、恵まれた自然と共生しながら心豊かに暮らした結果として国は栄え、人々はそれなりの幸せを実感してきた。しかるに、この度の環太平洋経済連携協定(TPP)は一部強国の経済事情の思惑がその本体であるがために、日本人の心を豊かにする方策は含まれていない。 アメリカの圧力による1991年の大店法(大...
看過できない金融部門への影響 岩崎良二
もう一点どうしても指摘しておきたい点がある。環太平洋経済連携協定(TPP)の金融保険部門への影響である。2010年3月末時点でゆうちょ銀行とかんぽ生命を合わせて、我が国国債の3割強を保有している。一般銀行と保険会社を全て合わせて3割保有であることを考えると、単体としての保有率は群を抜いている。 郵政事業は国営から民営への過渡期にあり、郵政民営化論と議論が交錯するが、政府が株式を保有する特殊会社...
WTOとFTAで十分 岩崎良二
「アジアの成長を取り込む」―。まじないのように語られるこの空疎なスローガン以外に、環太平洋経済連携協定(TPP)加盟のメリットがあるのか。 日本をはじめ、米国はもちろんアジアのほとんどの国が世界貿易機関(WTO)加盟国である。これにより自由経済は守られ、関税の低減化が推奨され、主要な国内産業は何とか保護することができる。準自由経済の枠組みは担保されているのである。 アジアの成長を取り込むのが...
いつでも席を立って日本を守る決意を 会員 村澤秀樹
環太平洋経済連携協定(TPP)の賛否は、日米の経済および戦略的同盟関係に影響を及ぼす重大事項である。公益財団法人としての研究所である国基研の果たすべき役割は、その趣意書にのっとり、慎重に情報を収集し、日本の国益にかなった意見を提言することである。 その前提で考えると、もしもこのまま日本が米国の傘下における無条件で恒久的な安全保障を望むということであれば、参加はやむなしとの考えになるであろう。 ...
TPPは国益にかなうか 会員 原寿基
環太平洋経済連携協定(TPP)の実質は、日本と米国の国益をかけたせめぎ合いである。しかし、その米国政府を相手に我が日本国政府はあまりにも稚拙で、またあまりに卑劣ではないか。 国民に情報を開示しないばかりか、野田佳彦首相は「交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と述べた。玉虫色の言葉で、世界には交渉参加を、党内反対派には交渉参加の事前準備だと印象づける。こんな姑息な外交で、日本の国益を守る毅然と...
TPPに参加すべし 会員 北秀司
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の参加、不参加をめぐり、与野党、団体、個人の意見が割れている。主張にはそれぞれ一理あるが、要は、この20年間閉塞した状況にある日本が経済、技術、知的文化という大いなる資産と武器(戦略)をもって、大いなる発展が期待される環太平洋地域において、日本の民主的なリーダーシップでお互いに利益を享受しようということである。また、その役割を担う資格が日本にあるということである...
TPP賛成は納得できない 会員 芝崎憲次
国基研はいつからアメリカのポチになったのでしょうか。環太平洋経済連携協定(TPP)に関する限り、日本の国益を考えておられるとは思えません。それともよく言われるところの保守は経済に弱いということなのでしょうか。TPPは農業問題や輸出産業だけの問題ではありません。マスコミは最近でこそようやく農業問題以外もアリバイ的に取り上げようとしていますが、基本的には農業問題に矮小化しようとし、抽象論で既成事実...