公益財団法人 国家基本問題研究所
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役員論文

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2012年11月の記事一覧

 拉致を「人気取り」に利用するな 東京基督教大学教授・西岡力        モンゴルの首都ウランバートルで11月15、16の両日、4年ぶりの日朝政府間協議が開かれた。日本側代表の杉山晋輔外務省アジア局長は、最重要課題として日本人拉致問題を提起した。北朝鮮側代表の宋日昊大使は、拉致問題は解決済みで協議は拒否するとの従来の立場を変え、日本側主張を聞いていたものの、立場が違うが継続協議に...

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明確な政策を掲げて選挙を戦い 強く賢い自主独立の国づくりを  櫻井よしこ        11月14日の党首討論は野田佳彦首相が仕掛けた大技だった。それは党首討論という次元のものではなく、首相の捨て身の戦いだった。しかも相手は自民党ではなく、党内反対勢力だったと考えてよいだろう。 首相のやることなすことすべてに反対するのは野党ではなく、党内勢力だった。彼らは環太平洋戦略的経済連携協定(T...

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法王が期待する日本の役割  櫻井よしこ      11月13日、参議院議員会館の講堂は熱気に溢れていた。チベットのダライ・ラマ法王14世を迎えて「普遍的責任と人間の価値」の講話を聞く会が、国会議員134名、代理98名の計232名の出席で開かれたのだ。当初、約100名と見られていた議員の出席が大幅に増え、急遽会場を国際会議室から講堂に移しての開催だった。 これまで欧米諸国が自由と人権を尊ぶ...

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選挙で問うべきは統治機構改革 評論家・屋山太郎    野党からは「ウソつき」呼ばわり、与党内からは「解散反対」の声で、「正直者」を自任する野田佳彦首相はいきなり「16日解散」という挙に出た。これだけ党内から足を引っ張られ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)もできない、解散も封じられるというのでは、政権を維持する意味もない。まさに局面大転換の良策だ。  ≪「官僚内閣制」に飽いた国民≫ ...

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クリントン国務長官の退任後懸念されるオバマ政権の中国政策   櫻井よしこ     2期目のオバマ政権の最重要課題の一つが、領土拡張の野望を隠さず、米国に挑む中国への向き合い方である。とりわけ注目すべきはクリントン国務長官が言葉通り来年1月に退任する場合のオバマ政権の中国政策である。 中国の習近平新体制の目指すところは依然として不明瞭だ。9月に突然、習氏が約2週間にわたって姿を見せなかった...

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中国への遠慮捨てよ  櫻井よしこ    党首討論で野田佳彦首相が「今週16日に衆院を解散してもいい」と言い切った。その後の政府・民主三役会議では、12月4日公示-16日投開票という衆院選の日程も決まった。  寄ってたかって足を引っ張り、解散権も封じ込めようとした反対派を振るい落とし、悪しき党内融和を打ち破ったことを評価する。首相が自分は保守だというのなら、経済では環太平洋戦...

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国会議員が初めて法王を迎える   櫻井よしこ     「日本の政治家として、ここはきちんとやろう」  長年チベット問題に関わってきた民主党の牧野聖修氏が発言すると、自民党の下村博文氏が応えた。 「チベット仏教を守り通して世界の尊敬を集めている法王を、堂々とお迎えするのが真っ当な国としての作法だ。私たちは今年4月にロブサン・センゲ首相を91名の議員でお迎えした...

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  農地集約で競争力が増すコメ TPP参加で市場拡大を  櫻井よしこ      過日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関して、農業を営む木内博一氏の話を聞いたが、驚きだった。ちなみに氏は農事組合法人和郷園の代表理事である。和郷園は「和を育み、郷土を愛し、園芸を志す」という標語から命名された。 野菜の産直組織から始めて21年目の今年、和郷園には92軒の農家が集い、約150ヘクタール...

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  オバマ「日米VS.中国」堅持に期待  杏林大学名誉教授・田久保忠衛         歴史的な接戦模様の末にオバマ米大統領が再選された。過去4年間の米外交・安全保障政策に少しでも変化が生まれるかどうか。高官人事が決まるにつれ方向は明らかになってくるだろう。大袈裟にいえば、2期目のオバマ政権と、今日開幕する中国共産党大会で決まる予定の習近平体制の関係いかんが日本の運命を左右する。米中間に今...

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  憲法改正、保守は大同につけ  櫻井よしこ           「命あるうちに最後のご奉公をしたい」 80歳の石原慎太郎東京都知事が辞任記者会見で吐露した想いは、私にもよくわかる。日本に充満する閉塞感を氏はこう表現した。 「明治以来の中央集権、官僚制度をもう1回シャッフルしたい」「この国にはバランスシートがない。国の会計をなぜ複式簿記にしない」「ゆとり教育が学力を落とした。旧文部省は公...

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  中国に迫り来る「投資反動不況」  拓殖大学総長・学長 渡辺利夫        明日から中国共産党大会が始まる。党総書記には習近平氏が選ばれよう。氏が直面する最大の課題が「発展方式の転換」である。  「われわれは今後5年間、さらには相当の長期にわたり経済発展方式の転換を主要任務とする」。昨年の全人代(全国人民代表大会)で第12次5カ年計画が採択された直後の温家宝首相による記者...

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  「連携、連帯」でいいじゃないか  評論家、拓殖大学大学院教授・遠藤浩一      「まず連携、連帯する。連合になるかはわからない」  東京都知事辞任と新党結成を表明した石原慎太郎氏は、橋下徹大阪市長率いる日本維新の会など他の小政党との関係について、当初、こう述べていた。 ≪「第三極連合」の行方は?≫  なかなか味わい深い言い回しだと筆者は感心したのだが、大半の新聞は、前半の「連携、連...

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 人材を多数輩出した会津藩 歴史と価値観を伝えた教育  櫻井よしこ          今年書き進めてきた著作の一つが、会津人の物語だ。苛酷な戊辰の役を戦った会津人の群像の足跡を辿れば、自ずと心は粛然となる。賊軍とされ死よりも辛かったであろう人生を、なぜ、彼らはあのように私心なく公と大義のために生きることができたのか。 答えが教育にあるのは明らかで、会津教育の神髄を形にしたのが藩祖・保科...

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  「二院制」見直す改憲案の審議を  駒沢大学名誉教授・西修       10月17日、最高裁判所大法廷は、平成22年7月に行われた参議院選挙で、選挙区間の投票の価値が最大で1対5に開いた結果について、「違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたというほかはない」として、「違憲状態」との判決を下した。  ≪「違憲状態」は国会の怠慢≫  確かに、鳥取県では15万8000票余りで...

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 鳩山氏、最高顧問に返り咲きの仰天  櫻井よしこ         民主党の政策や人事に論理の破綻や一貫性の欠如はいつものことで、もはや大概のことには驚かないつもりだった。しかし、またもや驚いた。鳩山由紀夫元首相が党最高顧問に復帰して外交を担当するそうだ。 氏は首相就任直後から、現在の日本にとって最重要の日米関係を根幹から揺るがし、中国、ロシア、韓国による領土侵略の動きを促す結果を招いた。普...

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