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2013.03.22 (金) 印刷する

「韓国は日清、日露戦争から学ぶべきだ」 ジェームズ・アワー 米バンダービルト大学教授

ジェームズ・アワー米バンダービルト大学教授は3月8日、国家基本問題研究所で、朝鮮半島と米中、日本の安全保障、歴史認識問題などについて語り、同研究所企画委員と意見交換した。アワー教授は元国防総省日本部長で、同大日本研究センターの所長を務めている。同教授の主な発言要旨は次の通り。

13.3.8

安倍政権に対する期待

防衛支出増、武器輸出三原則緩和、普天間基地の辺野古移転など安倍政権の滑り出しは順調。経済政策で成功するかどうか分からないが、アメリカの関係者は皆、安倍政権の成功を期待している。

日韓と日中

韓国の対日政策は韓国内政の犠牲になっていると思う。かって故小渕首相は金大中元大統領と歴史問題に終止符を打ち、前進することで合意したが、その後、日本側が何も間違ったことをしていないのに、ただ韓国側内部の事情で日韓関係が後ろ向きの展開になってしまった。李明博前大統領も内政上の理由で変わってしまった。朴槿恵現大統領も大統領になるために歴史問題を政治利用しているようで、彼女に信念があるのかどうか疑う。

先日、日米印の三か国専門家会議が開かれ、対中共同海洋戦略の将来展望が明るいことを実感したが、韓国にも参加するよう求めたい。日本側が歴史問題について事実関係の証拠がためを続けるが、公然とした論争をしなければ、最終的に韓国は矛を収めることが得策と理解するだろう。中国は違う。中国は日本に誤って欲しくないのだ。日本を中国に敵対する悪魔として半永久的に位置付けて置きたい。

英国の大学院で教えているあるイタリア人教授によると、日本、韓国、中国、台湾など多くの留学生がいるが、ほとんどが自らの見方を変えることはなくとも、他国には異なった歴史観があることをいずれ理解するようになる。しかし、中国人学生だけは見方を変えさせるのが難しい。例えば、1950年の朝鮮戦争は韓国が北朝鮮を攻撃したと今も信じている。そういうように学校で教えられてきたからだ。

安倍政権の「右傾化」

安倍首相の右傾化云々といわれるが、今までの日本の防衛政策が左寄り過ぎたのだ。防衛予算増にしても武器輸出三原則の緩和についても、日本を危険視するようなものではない。日本が安倍政権の方向に動くならば、アメリカとしては歓迎だ。

性奴隷

事実関係からみれば性奴隷ではない。しかし、私が日本人なら何も言わずに、将来韓国政府や韓国人のグループが率直な話し合いを持ちたいと申し出た時に応じ、そこで性奴隷を否定する事実や証拠を示したい。というのは、今の韓国の政治家にとっては事実かどうかは関係がないのである。性奴隷の主張を裏付ける証拠を持ってもいない。彼らの主張は単なる感情の発露なのである。

オバマ政権の方向

オバマ大統領は元々「左」であり、さらに左寄りに動いている。それが同大統領を支持しなかった我々にとって最大の心配事である。ケリー国務長官はかって強いベトナム戦争反対運動家であり、それ故に大統領選に出馬した時、脱落した。前任のクリントン女史も好きではないが、彼女は南シナ海やアジア政策で良い政策を実行した。キャンベル前国務次官補が支えていたからでもある。だれが後任になるかによっては、親中路線に走りかねない危惧を持っている。

世界の中の“会津藩”

歴史認識問題でいわれのない不名誉な非難を受けるのは、明治維新の際の会津藩のように、世界で孤立しているようだと言われるが、そのフラストレーション(失望、不満)はよく理解できる。韓国の多くの貧乏な家庭が自分の娘を売り、彼女たちが慰安婦になったことは明白である。日本が働いた悪事ではない。韓国だけでなく、日本人家庭でも貧乏故に同じようなことをしている。

アメリカ人についていえば、99.9パーセントが慰安婦について何も知らないし、知ろうともしない。ほとんどのアメリカ人が今の日本に好印象を持っているので、なぜ日本がこの問題を取り上げるのか理解できない。むしろ闘牛の眼前で赤い布をひらめかせることにならないか。

日清、日露戦争

1895年の日清戦争、1905年の日露戦争、の双方で日本が勝利したが、もし清国が勝利していたら、現在の朝鮮半島は中国の植民地になっていただろう。ロシアが勝っていたら、半島はロシアの植民地だろう。日本が両戦争を勝ち抜いたのは韓国にとって大変幸運だったのである。韓国人は日本は残酷だったというが、李槿恵現大統領の父、故朴正煕大統領や台湾の李登輝元総統は、韓国や台湾が近代化できたのは日本の統治のお蔭であることを良く知っている。

韓国の人たちはこの過去の戦略的な意味を将来の戦略につなげるべきである。中国の場合、まず第一段階として尖閣諸島の領有を求めるが、第二段階は沖縄本島である。そして次の目標は日本本土ではなく、全朝鮮半島の領有である。にもかかわらず、今なお韓国の人々が「我々は中国と友人になれる」と期待しているのは、全く理解しがたい。

核武装について

核武装について討論することは全く問題とならない。かっての土井たか子議員のように「核については討議することも、考えることさえいけない」というのは解せない。中国、ロシア、北朝鮮などに囲まれた日本の地政学からいって、核について日本が研究するのは当然だ。米国はこの問題を日本と協議するのに協力するだろう。そのうえで日本がやはりアメリカの核の傘の下にいたいという結論を出せばそれでよいのではないか。恐らく、朝日新聞が右翼が核武装を検討している、と報道するだろうが・・・

(文責 国基研)