7月下旬、訪日したアーサー・ウォルドロン米ペンシルベニア大学教授は31日、国家基本問題研究所企画委員会で中国と日米関係について語り、同委員会メンバーと意見交換を行った。
ウォルドロン氏は、同大歴史学部国際関係の教授で、中国史や戦略研究が専門。昨年12月、国基研が開催した国際シンポジウム「戦後70年 国際政治の地殻変動にどう対処するか」にパネリストの一人として参加した。
ウォルドロン教授の主な発言内容は次の通り。
1)日本は、1274年の元寇以来の危険な時を迎えている。今回は、遠方から巨大なロープで囲い込まれ、、徐々に輪を狭めれているようだ。気づいた時には身動きできないだろう。
2)米政権はこれまで友邦国に圧力をかけ、敵対国に報いる政策をとってきたが、漸く中国の脅威に気づき、対中発言も徐々に強くなっている。私自身は、過去40年間、中国専門家の間で異端児扱いを受けてきた。というのは、私が中国の軍事力を疑い、強い懸念を表明してきたからだ。
3)日本は全面的に普通の国にならなければいけない。日本には何かがある、と中国に思わせなければいけない。つまり、抑止力である。
4)アメリカの核の傘で守られていると考えてはいけない。それは、実際には存在しないものである。英仏と同様、日本も自ら守る方策を考えなければならない。つまり核装備の原潜一隻である。
5)日本も、アメリカも、新聞がほぼ全面的にリベラルで、期待できない。