【意見広告】 原子力政策を決めるのは政府です 規制委員会ではありません
公益財団法人 国家基本問題研究所
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規制委員会ではありません
わが国の原子力政策が大きな問題に直面している今、政府は原子力政策を明確にし、原子力規制委員会の行き過ぎを正すべきです。
強い権限を持つ「3条機関」*である規制委は11月、高速増殖炉「もんじゅ」の運営母体である日本原子力研究開発機構の能力を否定しました。その上で、半年で別の機関を決定できなければ、もんじゅを根本的に見直せと政府に勧告しました。
しかし、高速増殖炉を扱える専門家集団は研究開発機構以外にはありません。勧告は、もんじゅの廃炉にとどまらず、高速増殖炉を中核とする原子力政策の根本を変えることにつながります。確かにもんじゅは国民の信頼を失ており、原子力施設の安全確保は当然としても、原子力政策の根本を独断で覆すこの勧告は問題点が多いのです。
政府はわが国のエネルギー政策をどうするのか。核燃料サイクルを完成させ、2500年以上にわたるエネルギー供給を目指すという基本計画を続けるのかどうか。この際、国民への明確な意思表示が必要です。
活断層問題に典型的に見られるように、規制委の審査に偏りがあり、科学技術的な根拠を十分に審査しているとは言えません。政府は、民主党政権の置き土産ともいうべきこの規制委の在り方をなぜ放置しているのでしょうか。
* 国家行政組織法第3条などの法律に基づき設置される機関で、内閣から独立した強い権限を持ちます。委員長の任免を天皇が認証するのは、ほかには公正取引委員会だけです。
12月10日(木)産経新聞
12月11日(金)読売新聞(東京)、朝日新聞(東京)、福井新聞
12月13日(日)日本経済新聞 に掲載
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