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2019.12.13 (金) 印刷する

「アメリカ人から見る中国・韓国」 アラン・ソン シニアプログラムオフィサー SRF

アメリカ外交史などに見識を持つ韓国系アメリカ人のアラン・ソン氏が、12月13日(金)来所し、国基研企画委員会で、櫻井よしこ理事長をはじめ、企画委員と意見交換をした。

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氏は、現在、コネチカット州、ウエストポートにあるスミス・リチャードソン財団で、国際安全保障及び外交政策プログラムのシニアプログラムオフィサーをしている。

氏は日本滞在中、慶応大学で集中講義を行い、その合間に、是非国基研の研究者から外交・安全保障に関する知見を得たいという申し出があり、今回の意見交換会が実現したものである。

氏の関心は、①トランプ大統領のアメリカが日本からどう見られ、評価されているか、②中国のすさまじい台頭に日本はどう対応してくのか、③現在の日本の政治的議論や問題意識はどこにあるか、などにあるとのこと。

国基研の企画委員から、常々問題意識をもっている点につき、いくつかの見解を紹介したところ、氏も同意見であるという。

そして、一般的アメリカ人の韓国観として、支離滅裂で脈絡の無い外交姿勢に、正直戸惑っている。特に、政治外交の場で、情報がすぐリークされるなど、不信感が拭えない。ただし、アジア全体として見ると、中国一色に塗りつぶされる傾向にあるから、韓国や日本の問題は、あまり目立たないとのこと。

他方、対中認識は、この2~3年で大きく変化したという。つまり、これまで関与政策のもと、米国が門戸を開放すれば、中国も次第に開放的になるだろうとの期待感があった。ところが、知的財産は窃取し放題、貿易不均衡は広がるばかりで、強烈な裏切り行為と感じているという。米国議会もトランプ政権も、対中認識に関しては、他の政策とは異なり、「強硬方針」の一枚岩で一致している。

最後に、米国内でアジア研究といえば、ほぼ中国研究になるという。このままでは日本専門家や日本研究者が減少し続け、埋没していくことを、大変危惧しているとした。

アラン・ソン氏は韓国系アメリカ人。1958年、ソウル生まれ。65年の国交正常化の翌年、日本へ赴任する父親(外交官)とともに日本へ。その後、札幌、東京と、ほぼ10年近くを日本で過ごす。高校卒業直後に渡米、コロンビア大学卒業。国連協会や日米財団など、いくつかの研究財団を経て現職。氏の所属する財団は、喉薬Vicksで財を成したリチャードソン家が1920年代に篤志事業を目的として創設、貧困撲滅や教育支援などの他、国際安全保障にも関心を寄せており、当該研究者への研究資金の提供をしている。
(文責 国基研)