竹中平蔵・慶応大学教授は12月21日、国家基本問題研究所の経済研究会で近く発足する予定の安倍新政権と経済政策課題について語り、同研究所の企画委員や役員、法人、賛助会員らと意見交換した。竹中教授は小泉自民党政権時代の経済財政担当大臣を務めた。
竹中教授は、アメリカから帰国したばかりで、まず総選挙の結果について言及、安倍新政権に期待しているが、古い自民党と新しい自民党の二重構造のどちらに軸足を置こうとしているのかを注視していると語った。
今後の経済政策として、竹中教授は、経済状態を良くするのに「打ち出の小槌はない」と述べたうえで、短期的には、中小企業などに対する返済を猶予するモラトリアムや雇用調整助成金など”変な政策“を中止すべきと指摘した。また、何もしないのが一番得策となるデフレ退治のため、市場に出回る金を増やすことが重要と述べた。さらに、安倍自民党総裁がインフレ目標発言しただけで株価が一気に跳ね上がったが、経済状況は期待感という要因で左右される面があり、政府がインフレ目標など大枠を作ることが大事だ、と語った。
また、竹中教授は、中、長期対策として、規制緩和の必要性をあげたが、一方で税と社会保障の一体改革ではなく、教育改革、労働市場改革を加えた三位一体改革を進めるべきであると強調した。竹中教授の発言詳報はこちらから。