2018.11.14 (水)
【提言】「徴用工」の正しい用語は「朝鮮人戦時労働者」(wartime Korean workers)だ
平成30年11月14日
公益財団法人 国家基本問題研究所
公益財団法人 国家基本問題研究所
(wartime Korean workers)だ
【各論】
朝鮮半島での戦時労働動員には、時期を追って募集、官斡旋、徴用の三形態があった。いずれも民間企業における賃労働で待遇は総体的に良かった。
安倍晋三首相は11月1日の衆院予算委員会で、韓国最高裁判決が新日鉄住金に賠償金支払いを命じた4人の原告について、「政府としては『徴用工』という表現ではなく、『旧朝鮮半島出身の労働者』と言っている。4人はいずれも『募集』に応じたものだ」と答弁した。正しい認識である(第553回直言「事実を無視する韓国の労働裁判」(西岡力)を参照)。
ところが報道においては、未だに「徴用工裁判」という誤った表現が広く見られる。しかも海外メディアのみならず、朝日新聞、共同通信などの英語版やジャパン・タイムズ記事でも、徴用を「強制労働」(forced labor)と訳している場合が多い。歴史を歪める誤訳と言わざるを得ない。なお、外務省は11月9日より4人の原告について「旧朝鮮半島出身労働者」(Former Workers from the Korean Peninsula)としている。この用語では、平時に渡日した労働者も含まれる。
我々は、戦時中に日本で働いた朝鮮半島出身者の総称として「朝鮮人戦時労働者」(wartime Korean workers)を使うよう提案する。
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