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2016.10.14 (金) 印刷する

「中国による宇宙開発の二重性」 R.フィッシャー氏

 10月14日(金)リチャード・フィッシャー米国国際評価戦略センター主任研究員は、国家基本問題研究所企画委員会において、「中国による宇宙開発の二重性」に関する認識を示し、櫻井よしこ国基研理事長をはじめ理事、評議員、企画委員らと意見交換をした。

16.10.14

氏は現在米国の国際評価戦略センターを拠点に安全保障の専門家として緻密な研究および活発な言論活動を行い、Jane’s Defense Weeklyなどの論文で指摘する問題提起には定評がある。

まず中国の宇宙戦略については、軍民両面の性質があることを忘れてはならないという。毛沢東の時代からミサイルと宇宙開発は中国にとって重要な価値を持ち、軍民がともに開発に鎬を削ってきた歴史を概観。いまや人民解放軍は第4軍種のロケット軍を創設、宇宙軍まで視野に入れ民間サテライトまでコントロールするとした。

衛星に関しては、10年以内に200基を打ち上げ、そのうち半分が監視衛星と推定され、有人宇宙活動、月面レーダー基地などの構想もあり、宇宙空間が知らぬ間に赤くなっていることへの警鐘を鳴らした。

最後に、参加者からの質問に対し、米国の次期大統領についての抱負を語り、いずれがなるにしても米国のアジア軍事戦略に変化はないし、南シナ海の問題は悲観的だとの見通しを述べた。

(文責 国基研)