公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

最近の活動

  • HOME
  • ニュース
  • 国基研‐VIF共同研究 『日印の戦略的パートナーシップと協力の枠組み』
2013.05.22 (水) 印刷する

国基研‐VIF共同研究 『日印の戦略的パートナーシップと協力の枠組み』

 国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)は21日、インドのビベカナンダ国際財団(VIF、アジット・ドバル所長)との共同研究報告書「日印の戦略的パートナーシップと協力の枠組み」を発表した。報告書は、台頭した中国が国際社会で独善的な傾向を強め、他の諸国とのあつれきを生む中で、アジアの二大民主主義国である日本とインドが安全保障、産業、国際政治の各分野で協力を深めるべきであり、それによってアジアの平和と安定に寄与できると提唱している。
 報告書は、米国がイラクとアフガニスタンでの戦争にけりを付け、「アジア回帰」を打ち出すという国際環境の変化を受け、中国の軍備増強への懸念を共有する日本とインドが米国や他のアジア諸国と協力して、インド洋・太平洋地域の安全確保のため連携を強化するよう求めている。
 また、日印が防衛部門を含む産業間協力を拡大し、原子力協力を推進し、サイバー分野での協力に取り掛かるべきだと指摘している。本格的な軍事協力には、日本の憲法改正が不可欠なことにも触れている。
 さらに、東アジア首脳会議など、日本とインドが中国と対等な権限を持つ国際的枠組みを発展させることや、中国で抑圧されているチベット人、ウイグル人、モンゴル人の人権保護を日本とインドが主導すべきだと主張している。
 VIFはインドの元情報局長官が所長、元駐ロシア大使が副所長を務め、退役軍首脳が要職を占めるシンクタンクで、安全保障問題に強い。19世紀末から20世紀初めにかけて活躍したインドの哲学者スワミ・ビベカナンダを信奉する組織を上部機関に持つ。本部はニューデリーにある。
 国基研とVIFは平成23(2011)年9月に共同研究を開始し、同24(2012)年6月には東京で中間報告会を兼ねて合同セミナーを開催した。

報告集全文はこちらから

 

13.5.21