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2015.11.27 (金) 印刷する

台湾情勢について 許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表

 許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表は11月27日、国家基本問題研究所の企画委員会において、台湾情勢について語り、意見交換を実施した。
 許氏は、台湾出身、早稲田大学で修士、東京大学で法学博士を取得、津田塾大学で教員生活を送り、帰台後の2004年に台北駐日経済文化代表処代表(駐日代表)を4年間勤めた知日派の知識人である。
 許氏は、11月7日にシンガポールで台中首脳会談が行われたことを受け、その影響の大きさを憂慮する。そもそも馬英九政権以前は、両岸関係を微妙な言い回しながら国と国との関係を維持してきたが、今回の会談で「一つの中国」を明確にしたという。それは首脳会談で、その存在が否定される「92年合意(92共識)」を確認し、その上「92年合意」で表現されたとされる「一つの中国、各自解釈(一個中國各自表述)」のうち「各自解釈」が削除され、大陸におもねる現政権の危うさを指摘した。
 さらに、台湾が実効支配する南シナ海の太平島に馬英九総統が訪問すると発表しても、大陸の反応が薄かったのは、すでに台湾が掌中にあると大陸が認識していることを示すのではないかとし、あらためて危機感を訴えた。(文責・国基研)

15.11.27