公益財団法人 国家基本問題研究所
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最近の活動

2025.02.10 (月) 印刷する

中国軍事動向月報 2025年1月

1 全 般
1月2日、全軍において新年度の軍事訓練が開始された。各部隊で訓練開始式等が実施され、新たな訓練年度の始まりを宣言した。また、29日の春節を前に、優秀部隊・隊員の表彰、昇任式、退役式等の行事も各部隊で実施された。

1月は、昨年末の最終検閲を総括し、新たな訓練年度に向けての準備が行われる月であり、定期的なパトロールは継続しているものの、大規模な訓練等は確認されなかった。

台湾周辺での軍の活動も低調であったが、金門周辺海域での海警の活動には変化はなく、法執行パトロールの常態化は継続している。また、台湾周辺での海底ケーブル損傷が確認され、中国の関与が疑われた。

日本周辺での軍の活動も低調であったが、尖閣周辺海域での海警の活動は継続した。12月に上番した4隻共74mm砲搭載した第2支隊の編隊は1月8日まで活動したものの、任務間、領海侵入せずに第1支隊と交代し、帰港した。今は中国側から更にエスカレーションラダーをあげて日本を刺激する時期ではないとの中国の意図を示すものと言える。トランプ新政権を見据えた日本との関係改善や海保巡視船の装備増強等へ繋がる恐れを考慮した可能性がある。

南シナ海においては、比への威嚇や実効支配強化の手段として、投入する軍・海警アセット及び活動地域を逐次拡大している。比側アセットと近距離で直接対峙している状況も映像やAISで確認されており、今後衝突等の物理的な被害が発生する可能性も拡大している。