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2015.02.25 (水) 印刷する

米国での対北朝鮮重要会議と日本の不参加 島田洋一(福井県立大学教授)

 アメリカの首都ワシントンは、国際情報戦の主戦場、少なくともその最も重要な一つである。

2015年2月17日、そのワシントンの大手シンクタンク「戦略国際研究センター(CSIS)」において、「北朝鮮の人権 今後の進路」と題する、ほぼ終日に及ぶ一大シンポジウムが開催された。副題は、「国連調査委員会報告書1周年記念」。

同報告書で北の政権を厳しく指弾したマイケル・カービー委員長以下3人の国連特別報告者も顔を揃え、米韓の専門家など30人が報告・討議を行ったという。日本人拉致問題も取り上げられた。

ところが、呆れるような状況があった。その場にいたジャーナリストの古森義久氏は次のように報告する。

問題は日本の存在感がまったくなかったことである。この会議において、わが日本は声も姿もまったく表わさなかった。日本人拉致という、日本の国家にとっても国民にとっても重大な意味を持つ課題が論じられる国際的な会議であるにもかかわらず、日本国代表が1人もいないのである。

この責任は、やはりワシントンの日本国大使館にある。日本国大使館は会議の場となったCSISから徒歩で10分ほどの至近距離にある。会議が開かれることはずっと以前から分かっていた。しかし、日本の声をそこに届ける措置はなにも取っていないのである。……日本の考えや立場を世界に向けて積極的に発信することこそが、外務省のそもそもの存在理由だとさえ言えるのに、そうした対応はまったく見られなかったのである。

一体、どういうことなのか。主催者であるCSIS所属のビクター・チャ、マイケル・グリーンの両元政府高官も討議に参加していたという。両氏とは、外務省はかねてより、「密な関係」の維持に腐心してきたはずだ。CSISに対し、例えば両氏を通じ、積極的な日本側の参加働きかけを行わなかったのか。それとも働きかけたのに撥ねられたのか。

いずれにせよ、こうした外務省に新たに「ジャパン・ハウス」建設予算など付けても、無駄に消えることは余りに明らかだろう。

古森報告にある上記の経緯について、外務省には説明責任がある。自民党の政調会や国会の場で、検証が為されねばならない。なお、古森レポートの全文は下記で読める。

「ここで声を上げなくてどうする 北朝鮮非難の国際会議に日本の姿なし」
JBpress 2015.2.25