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2008.05.16 (金) 印刷する

ウイグル人亡命政府「東トルキスタン共和国」首相RACHMAT DAMIAN氏との会談

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5月2日、ウイグル人の亡命政府「東トルキスタン共和国」の首相であるラチマット・ダミアン(RACHMAT DAMIAN)氏が本研究所を訪問し、櫻井理事長、高池事務局長、西岡評議委員と懇談した。ダミアン氏が語った新彊ウイグル地区の現状は以下の通り。

スターリンと毛沢東の取引により、1955年東トルキスタン(ウイグル)は中華人民共和国に併合され新疆ウイグル自治区とされた。なお、西トルキスタンとは中央アジア諸国の5ヶ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、 ウズベキスタン)であり、ウイグル人はこれらと同じトルコ系民族。

中国共産党は60年代に鉄道を開き、人民解放軍と漢人を大挙流入させた。東トルキスタンには石油、天然ガス、ウラン、希少金属資源が豊富で、関連施設での職を求めて大量の漢人が流入しており、その上屯田兵的軍事組織である新彊ウイグル生産建設兵団が600万も展開している。現在の人口は亡命政権の統計でウイグル人1500万に対し漢人2000万、漢人が多数派になっている。

資源関連施設で職を得られるのは漢人に限られており、大多数のウイグル人は貧困に苦しんでいる。その中でウイグル人の15歳から22歳の結婚適齢期の女性の都市への移住・就労が始まっている。2006年からの5年間で、40万人が天津、青島、上海などの大都市に移され、低賃金で働かされる。中国語のまったくできない娘たちが売春街に売られるケースもあるという。

中国共産党はウイグル人の文化抹殺を進めている。貧しいウイグル人の子供たちを親元から離し、無償で北京や上海に国内留学させる。高校生レベルで始まった同制度は、2000年代に入り、小・中生に拡大された。親たちは子供に教育を受けさせられると喜んで送り出すが、子供らはウイグル語とイスラム教、ウイグル文化をすっかり忘れ、すっかり漢人化して戻ってくる。

ウイグル語は現代化に役立たないとされ、小学校から大学まですべての教育が中国語でなされ、ウイグルの大学新彊大学と新彊師範大学でも2002年からウイグル語が禁止された。ウイグル人の精神的な核といえるイスラム教信仰も弾圧されている。18歳未満に布教することは非合法とされ、その上、大学生、公務員、共産党員は宗教が禁じられ、モスクに集うのは農民と老人のみだ。モスクの宗教指導者イマームも共産党の認可制とされ、そのためには無神論とマルクス・レーニン主義、毛沢東主義などを学ばなければならず、「イスラムの教えは国の指導者に従うこと。現在、中国の指導者は共産党だから、共産党の指導に従うのがイスラムの道」と教えるイマームがでてきている。

ウイグル人は中国共産党の支配に対して継続して抵抗してきた。しかし、むき出しの暴力で鎮圧され続け、国際社会からも完全に無視され、孤児のような状況だ。世界は中国共産党にだまされウイグルの現実を見ない。ウイグル人は中国の支配を脱し、独立国を持ちたいと考えていることを世界に示すため、2004年東トルキスタン亡命政府を作った。政教分離の自由民主主義を政体とする憲法も作成している。ぜひ、櫻井理事長をはじめ国家基本問題研究所のみなさんがウイグルの現実に関心を持ってくださることを望みたい。