斎藤道彦中央大学名誉教授は、10月16日、国家基本問題研究所で櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員に対し、「中国の諸問題」と題して講演、引き続き意見交換を行った。
斎藤道彦名誉教授は、中央大学で長年教鞭をとる傍ら、中国南開大学で研究するなど、現地をよく知る中国専門家である。著書に『尖閣問題総論』や『日本人のための尖閣諸島史』等がある。
当初、同行された中兼東京大学名誉教授により斎藤名誉教授の紹介があった。すなわち、斎藤名誉教授の著書により尖閣諸島の問題は極めて緻密に論証され尽くし、したがってこれが当該問題の結論になると強調された。
講演は3部構成で、第1は尖閣諸島、第2は琉球に関すること、第3に中国全般という内容であった。特に第1の尖閣問題にほとんどの時間が費やされた。斎藤名誉教授の主張の柱は、「尖閣諸島がかつて中国のものであったことがあったのか?」ということに尽きるというものでる。たとえば、『使琉球録』、『指南広義』、『三国通覧図説琉球国部分図』などの資料は中国側が尖閣を中国のものとする根拠としているが、それぞれ全く根拠にならないことは、原文を読めば誰でもわかると論破した。
(文責・国基研)