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2018.06.01 (金) 印刷する

「習近平政権2期目の本格始動と中国経済の行方 ~米中貿易摩擦問題は尾を引く~」  齋藤尚登・大和総研主席研究員

 中国経済に詳しい大和総研主席研究員の齋藤尚登氏は、6月1日、国家基本問題研究所の定例の企画委員会におけるゲストスピーカーとして、中国経済の現状と今後の見通しなどについて語り、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員と意見交換した。
 氏は、まず習近平政権が2期目に突入し本格的に始動したことについて概観した。本年3月の第13期全人代による憲法改正で、国家主席、国家副主席の任期が撤廃され、一強時代の長期化が見込まれる。中国という国家にとって、習近平政権の長期化は最大の牽引力にも最大のリスク要因にもなると分析した。
 次に、全人代で注目された他の人事は、第1に国家副主席の王岐山氏。彼は経済金融分野のエキスパートで、米国との太いパイプを有し、習近平政権を経済で支えるキーマンとなる。第2に、政権の経済ブレーンの劉鶴副首相。今後の経済改革の青写真を描いた人物で、過剰生産能力と新規債務増加を抑制することに加え、人民の健康状態改善を重点にするなど、持続可能な成長を目指している。第3に、人民銀行総裁は学者で国際人脈のある易綱氏が、Mr.人民元と言われた周小川氏の後任として昇格。全体的に、経済改革を重視しつつ、党主導が一段と強固になる体制作りだとした。
 さらに、米中貿易摩擦については、ハイテク戦争もしくは経済覇権を巡る争いと見る。トランプ大統領は単純で、米中間の輸出入バランスの問題としがちだが、技術移転や知財保護という観点が今後長期にわたる論点となり、米中間の覇権争いの火種になるとのこと。
 なお、これからの中国経済に楽観論は禁物で、予断を許さないという。
 齋藤氏は、1990年山一證券経済研究所に入社、香港駐在を経て1998年大和総研に。2003年から7年間、北京駐在、2015年に主席研究員、経済調査部担当部長。(文責・国基研)

18.06.01