正木靖・外務省欧州局長は、1月24日、定例の企画委員会にゲスト・スピーカーとして来所し、「激動の欧州と直面する日本外交」と題して、欧州全体の動向および日本の外交について語り、その後櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと意見を交換した。
【概 要】
欧州情勢の全体像を概観し、その後個別案件について説明
- 全体:BREXITの影響が経済のみならず、政治にも及び、結果として力のバランスが崩れ、様々な利害が絡むモザイク化という様相を呈している。
- 英国EU離脱:1/22英上院で離脱協定実施法案が可決。女王裁可を経て成立予定。今後、英EU間の将来関係協定交渉の行方を注視する要あり。
- EU新指導部:12/1フォン・デア・ライエン(前独国防相)新欧州委員長が就任。
- EU加盟国:現在28カ国(バルト諸国を含む)、英国の離脱後、トルコや西バルカンなどの加盟が検討される。
- NATO:昨年12月の首脳会合(NATO70周年)で、条約第5条(集団防衛)へのコミットメントを再確認。
- 5Gセキュリティに関する欧州の取り組み:昨年3月、欧州委員会は5Gネットワークのサイバーセキュリティに関する勧告を公表。特定企業の市場排除は求めず、各国判断による。
- EUの対外関係:中国、ロシア、トルコなど
日本の対欧州外交について個別説明
- 対EU、英国、フランス、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、日バルト協力対話
- 西バルカン協力イニシアティブ、ロシア
【略 歴】
東京都出身。1984年、東大法学部から外務省に入省。領事局在外公館課長、国際法局国際法課長、フランス公使、2014年7月に大臣官房総括担当審議官、2017年1月から外務省欧州局長。
(文責 国基研)