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2023.09.12 (火) 印刷する

月例研究会 「岸田首相は安倍首相を越えて使命を果たせるか」

令和5年9月11日(月)、国家基本問題研究所は、定例の月例研究会を東京・内幸町のイイノホールで開催した。

今回は、木原稔・衆議院議員、有元隆志・月刊正論発行人及び櫻井よしこ・国基研理事長が登壇し、櫻井理事長の司会で進行。登壇した3名から熱い発表及び討論が行われ、引き続き、来場した参加者を含め、忌憚のない意見交換が行われた。概要は以下のとおり。

 
木原稔 衆議院議員
安倍、菅、岸田の各政権を通じて支えてきた経験(内閣総理大臣補佐官など)から、現政権は反対の多い政策を着実に実現させる実行力があると評価した。例えば、安倍首相が提唱した自由で開かれたインド太平洋構想だが、それを諸外国に丁寧に説明して賛同を得る成果を上げたのは岸田外相(当時)である。加えて、安保3文書の改訂及び防衛費GDP比2%や反撃能力の明記、ALPS処理水放出の決断などは、安倍政権や菅政権の宿題でもあった。

安倍首相と直接比較したとき、岸田首相だけにあるものは少なくない。早稲田人脈などを有効に使い今後も持ち前の「聞く力」を発揮して様々な声を政策に反映していただきたい、と期待感を示した。

 
有元隆志 国基研企画委員
先日、岸田首相がインドで行われたG20に出席して記者会見を行った。発信力という点で安倍首相に軍配が上がるが、今回の外遊は素直に評価できる。食事の途中で中国の李強首相と処理水の問題で立ち話をしたエピソードも紹介。

他方、外交上の成果とは別に内政は不安だらけ。昨年暮れの安保3文書改訂は重要な成果だが、防衛装備移転、アクティブサイバーディフェンス、セキュリティクリアランスなどの問題が進まない。さらに憲法改正への具体的ステップが示されないことを引き合いに、公明党への配慮が過ぎると本質を見失う、などと指摘した。

参加役員からの意見
・アクティブサイバーディフェンスに関しては現憲法下でできることがある、
・岸田首相は戦時の宰相という意識をもって欲しい、
・米国でトランプ再選となった場合の備えはあるか、など多数の意見が寄せられた。

 
櫻井よしこ 国基研理事長
岸田首相が歴代政権の宿題をこなすのは良いが、日本国が真に自立するためには、核の問題や憲法改正を避けて通ることはできない。そこをクリアーできれば戦後の宰相の中で大きな功績を遺したと評価されるだろう。今後のご活躍を期待したい。

詳細は後日、「国基研だより」や国基研ホームページで紹介する予定。

(文責 国基研)