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2月は1月28日(大晦日)からの春節休暇が4日に終了、12日の元宵節も終わると訓練が徐々に活発化し始めた。特に海軍では、フィリピン(以下、比)の群島航路帯を通過しオーストラリア(以下、豪)を周回する遠海訓練や強襲揚陸艦を伴った太平洋での遠海訓練の開始が確認された。
14日に戦争準備や戦時規則に焦点を当てた3コ条例が改訂公布された他、戦争移行訓練や戦備訓練を強調した報道が散見された。1月に習近平中央軍事委主席が春節時の部隊視察をした際、部隊の戦備当直と任務執行状況を確認し、全軍が戦備当直を強化し、不測事態に適時適切に対応すべしと訓示したが、これに応えると共に、2027年建軍百年を見据えて台湾侵攻準備を着々と進めている可能性がある。
台湾に対しては、中国軍が台湾周辺で予告もなく臨時に無線による通知だけで演習区域を設定した射撃訓練を実施、更にパトロール中の東部戦区艦艇の隊員が「戦備警戒パトロール時は常に砲弾は全装填し、射撃システムも発射準備状態で何時でも射撃できる状態である」と述べる等、訓練やパトロールを実施中の艦艇・軍用機が命令さえあれば直ちに侵攻態勢に移行できることを示唆した。
日本に対しては、尖閣周辺海域において76mm砲搭載船4隻による領海侵入が初確認され、また一段、尖閣諸島周辺海域での活動を強硬化したと言える。
南シナ海においては、中比の対立は継続。特に米比軍の共同訓練や領有権問題係争国以外の豪の活動等を、「比による域外国の引き込み」と強く警戒しており、これらに対抗した活動を展開した。