ロバート・エルドリッヂ元在沖縄米海兵隊政務外交部次長は6月19日、国基研企画委員会で沖縄の「ヘイワ」運動・メディアの現状について報告、同企画委員と意見交換を行った。
エルドリッヂ氏は、沖縄・宜野湾市の普天間飛行場の移設先として日米両国が合意したキャンプ・シュワブ(名護市)のゲートで反基地活動家が拘束された一部始終を映したビデオを外部に提供した責任を問われ、さる4月下旬、海兵隊を解雇された。地元紙や地元議員らは、日本人警備員らの過剰警備として非難を強め、政治問題化していた。しかし、同氏のビデオでは、沖縄平和センターの山城博治議長が基地ゲート前の境界線を越え、警備員らを挑発しているのが明らかになった。地元紙が言うような不当逮捕ではなかったが、地元運動家の攻勢の中で、同氏は詰め腹を切らせられた格好だ。
エルドリッヂ氏は、自らの行動を後悔していないとしたうえ、日本人警備員の名誉、さらに海兵隊の名誉も回復されたとの思いを述べた。
同氏によると、沖縄の基地反対運動は本土の活動家が中心になっているが、外国人記者が煽り、英文で海外発信しているのが問題と指摘した。同氏は、ジャパン・タイムズ紙のイギリス人フリーランス記者や、ニュージーランド人記者の名前をあげた。ワシントンにある沖縄県代表部や、中国とのリンクも疑われると語った。
エルドリッヂ氏は、1968年、米ニュージャージー州の生まれ。バージニア州の大学卒業後、来日、神戸大学大学院法学研究科で博士号を取得、2001年から2009年まで大阪大学大学院准教授を務め、2009年から同海兵隊政務外交部次長を務めていた。
今後は、沖縄中部に新設の「沖縄国際交流研究所」や「エルドリッヂ研究所」を拠点にして、沖縄の基地問題などの調査、研究を続けるが、同氏は、全国的な支援が欲しい、と訴えた。(文責・国基研)