昨今の産経新聞紙上では外国人が日本の土地を買収することについて懸念する連載記事が掲載され、日本維新の会がこれを規制する法案を今国会に提出することとなった。その議論の中では安全保障上、また水資源を守ることが目的となっているが、安全保障上の問題で議論となっていないことを述べてみたい。
尖閣諸島を始めとする南西諸島方面で有事が生じた場合、防衛白書の「南西地域への機動展開イメージ図」が示すように、補充兵力は本土の陸上自衛隊が展開する構想となっている。しかし、中国人が土地を買い占めている北海道や新潟で「国防動員法」に基づいて中国人が蜂起し第二戦線を構築したら、当該方面の陸上自衛隊は、そこに釘付けになって南西方面に展開できなくなる。『孫子の兵法』に言う「倍すれば則ちこれを分かち(敵が我の二倍の兵力であれば、これを分散させる)」である。
2008年の北京オリンピックで聖火リレーが長野を通過したさい、数千人の中国人学生が現地に動員され、数々の狼藉を働いた事実を我々は忘れてはなるまい。
日米の基地周辺に土地を買収された場合、単に視覚によって情報収集されるだけではない。電波傍受装置を設置されたら、基地から発信する電波情報が盗取されてしまう。また最近はIT(情報技術)が発達し、パソコンのキーを叩くことによって生じる窓ガラスの振動を約200メートル離れた場所でも感知して、文章を再現できる技術もでき上がっている。海上自衛隊の対馬防備隊本部の近傍に韓国資本が土地を買い占めているが、対馬防備隊本部が作成する対馬海峡の監視情報を盗もうと思えば盗めるのである。
「安全保障上重要な土地取引の規制法案」の早期成立が望まれる。
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