国家基本問題研究所は、本年4月から安全保障に関する新たな取り組みとして衛星画像を活用し、地域情勢を分析する「総合安全保障プロジェクト」を開始しました。
これは、わが国を取り巻く安全保障環境の変化を、衛星画像を一つの手段として活用し情報分析を行い、目に見える形で日本への脅威を国民一人ひとりが認識することを目的としています。
今回、読売新聞と共同で衛星画像分析を行い、中国軍は台湾侵攻を想定し民間の貨物船を用いて訓練を行ったことが分かりました。詳細は下記からご覧ください。また、過去の分析も併せてご覧ください。
読売新聞オンライン
中国軍、台湾侵攻に向け民間貨物船の活用想定し訓練か…読売新聞などの衛星画像分析
2024/07/18
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240718-OYT1T50007/
[衛星でみる安保]「台湾短期制圧」へ布石…読売新聞画像分析
2024/07/18
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240717-OYT1T50169/
第542回 衛星画像から分析 中国人民解放軍の戦力整備状況(前編)
今月から始まった総合安全保障プロジェクトが本格化、衛星画像分析の専門家による中国人民解放軍の戦力整備状況を前後2回に分けて送る前編です。台湾侵攻を前提にした戦力整備は、速戦即決、A2AD、核抑止に集中。そのうち速戦即決は、着上陸を想定し渡海侵攻能力を強化中。例えば揚陸艦の建造と訓練、海軍陸戦隊旅団新編、内陸部隊の渡海訓練、民間船舶(RORO船)活用などを実施。他に平時の前方展開能力も強化中。画像を示してご説明します。ご視聴ください。
第543回 衛星画像から分析 中国人民解放軍の戦力整備状況(後編)
衛星画像分析の専門家・中川研究員による中国の戦力整備状況の後編です。前編では台湾侵攻を前提にした着上陸能力を説明。今回はA2ADと核抑止。まず日米の領域使用を拒否(AD)するためBMD突破能力等を強化(HGVのDF-17)。敵の接近を阻止(A2)するため対艦弾道ミサイルの精度を向上(移動目標攻撃試験)など。また核抑止は相互確証破壊で米の核使用を牽制(警報即発射態勢)します。画像を用いての説明、是非ご視聴ください。