第一次世界大戦後の欧州は、パシフィズム(平和主義)の時代だった。その時代の1934年、ドイツのパウル・フォン・ヒンデンブルク大統領が死去し、ヒットラーが首相と大統領職を統合してドイツの「総統」となり、翌年、再軍備を宣言する。
この時、イギリスで「戦争屋」と呼ばれて荒野にいたチャーチルは、次のように書き、下院で次のように演説した。「労働党と自由党の平和主義者は、相変わらず平和の名においてイギリスの軍縮を進め、これに反対する者は、全て『戦争屋』と呼んで非難した。」
「我々は(ドイツとの)『均等を獲得する手段』が欲しいのであります。世界の如何なる国も、自らを脅迫される立場におく道理はありません。」
チャーチルは、「ヒットラーの野心に必要な抑制を加えるだけの空軍」の増強を主張し続けたが、無視された。そして五年後に、ドイツ空軍はロンドン爆撃を開始したのである。同時期、フランスでは、ドゴールが、「マジノラインは、機械化部隊によって簡単に突破される、マジノラインを突破した機械化部隊は六時間でパリに到達する」と警告し続けていたが、「危険人物」としてフランス陸軍から無視されていた。しかし、五年後、ドイツ軍機械化部隊はドゴールの警告通りにマジノラインを突破してパリに入城した。
現在の我が国も、パシフィズムのなかにある。よって、我々は、喜んで、「戦争屋」、「危険人物」となって、祖国に対する責務を果たそうではないか。
国基研ろんだん
- 2026.04.13
- 憲法審査会の進捗を期待する 西 修(駒澤大学名誉教授)
- 2026.04.13
- 終戦後の掃海に「もがみ」型護衛艦派遣を 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
- 2026.03.30
- 米中に通底する対日認識に注意せよ 荒木信子(朝鮮半島研究者)
- 2026.03.30
- 木村かほるさんの安否確認を北に求めよ 荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)
- 2026.03.09
- 「自衛隊明記」だけではできない船舶防護 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
- 2026.03.04
- 米国の見事な情報活動と不安な兵站 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
- 2026.02.09
- 戦略核で余裕の米国、均衡に苦労する中露 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
- 2026.02.02
- 米国のマドゥロ氏拘束と「法の支配」 黒澤聖二(元統合幕僚監部首席法務官)
- 2026.02.02
- 米国に不可欠な日本の軍事的価値 太田文雄(元防衛庁情報本部長)
- 2026.02.02
- 帰還事業裁判の判決が意味するもの 荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)





