産経新聞は、「慰安婦問題 国連を舞台に誤解をとけ」と題した9月24日付社説で、国連総会のため安倍晋三首相と岸田文雄外相がニューヨークを訪問することに触れ、「慰安婦問題で国際的に広がったいわれない非難に反論し、誤解をとく良い機会ではないか。……虚構の(河野)談話を継承するという、いまのような姿勢で慰安婦問題について対外的にきちんとした説明ができるのか」と主張している。正論である。
この点、ニューヨークでの日韓外相会談の場で、「両国の関係改善には慰安婦問題などの歴史の傷を癒やす日本側の誠意ある努力が先行すべきだ」とする韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相に対し、岸田外相が改めて河野談話を見直す考えはない旨を伝えて理解を求めたという報道には、予想通りとはいえ、情けない思いを禁じ得なかった。
外相就任以来、慰安婦問題をめぐる岸田氏の言動は、外務省主流の事なかれ主義を忠実になぞるスポークスマンの域を超えておらず、政治家らしいリーダーシップがどこにも感じられない。
日本の名誉回復のための対外発信や外務省の姿勢への追及は、自民党や次世代の党、太陽の党などに属する有志議員が主導する形に期待する他ないのだろう。保守派政治家による外交への積極関与が益々重要になってくる。
対外発信では、一段と踏み込んだ攻めの姿勢も必要だ。
例えば、韓国側の執拗かつ度を超した誹謗中傷に対し、事実を淡々と提示するにとどまらず、わが国の名誉を不当に傷つけてきた敵性行為に対し、逆謝罪を求めるぐらいは、日本の議員が当たり前に取ってよい行動だろう。