7月15日正午過ぎ、衆院平和安全法制特別委員会で政府提出法案の採決が行われ、自民、公明両党の賛成多数で可決された。
不十分な面はあるが、集団的自衛権の行使容認は、国際常識に一歩近づくことを意味し、責任ある国家として当然の立法行為と言える。
終始無責任だったのは民主党で、とりわけ採決に際し、同党のエース(らしい)辻元清美議員が浜田靖一委員長(自民)に詰め寄り、両手で立ち拝みしつつ、「お願いだから、やめて!」と涙声で叫び続けたシーンは余りに醜悪だった。
しかも自らの論理の破綻を実演するものでもあった。
法案を絶対阻止と言いつつ、結局、政府与党スケジュール通りの可決を許してしまった辻元氏が、中国や北朝鮮による侵攻は、軍事力ではなく説得と哀願、すなわち「お願いだから、やめて!」パフォーマンスによってこそ抑止できると力説しても、もはや信じる国民はいないだろう。
折しも中国では、人権派の弁護士や活動家らに対して過去最大規模の弾圧が行われ、100人以上が連行されるなどしている。
北朝鮮では、疑心暗鬼に陥った独裁者が粛清と抑圧を強化している。
これらの人権問題や拉致問題にはまったく関心を示さず、一筋の涙すら流したことのない辻元氏が、安倍政権が相手となると、「お願いだから、やめて!」叫びや大量の涙をカメラの前で自由に繰り出すことができる。醜悪を越えて不気味と言うべきだろう。こうした人物をエース扱いする党に明日を与えてはならない。
産経の記事を参考に掲げておく。
産経 2015.7.15
【安保法案特別委採決】
辻元氏、涙声で「お願いだからやめて!」と絶叫 民主、プラカード掲げ抵抗
民主党は15日の衆院平和安全法制特別委員会で行われた安全保障関連法案の採決に際し、「強行採決反対!!」などのプラカードを掲げて対抗した。採決を阻止しようと浜田靖一委員長(自民)に詰めよって「反対」を連呼し、最後まで抵抗した。
特別委がヒートアップしたのは正午過ぎ。浜田氏が大声で質疑の終結を宣告すると、民主党は用意していた「強行採決反対!!」「自民党感じ悪いよね」「アベ政治を許さない」などと表記したプラカードを一斉に掲げて抵抗。安住淳国対委員長代理ら委員以外の“応援組”も多数加勢した。
民主党議員は浜田氏を取り囲み、マイクや議事進行の資料を奪おうとしたが、浜田氏は必死に議事を続行。辻元清美氏が浜田氏の目の前で涙声で「お願いだから、やめて!」と叫び、「反対、反対、反対…」のコールがわき起こった。
ただ、野党の足並みがそろったとは言い難い。維新の党と共産党の議員も採決直前の質疑では政府案の採決反対を訴えた。だが、維新は、同党が提出した安保関連法案の対案が否決されると、政府案の採決前に退席。共産党も浜田氏の近くまで詰め寄るほどの抵抗はせず、民主党の独壇場となった。
民主党の岡田克也代表は記者団に「強行採決されたことに強く抗議する。安倍晋三首相が国民の理解が深まっていないと認めた中で今採決する必然性はなかった」と述べた。維新の松野頼久代表は「ひどい強行採決だった。まだ審議が足りない」と語った。
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