2016年1月18日の参院予算委員会で、宇都隆史、中山恭子両議員が、慰安婦は性奴隷(sex slaves)、日本軍による強制連行といった誤解が海外に広がっていることに対し政府の認識を質した。
安倍晋三首相は、「海外プレスを含め、正しくない誹謗中傷があることは事実だ。性奴隷、あるいは(慰安婦の数が)20万人といった事実はない。政府として、それは事実ではないと、しっかりと示していく」と述べた。
また、日韓合意で日本側が認めた「軍の関与」については「衛生管理も含め、管理、設置に関与した」との意味だと説明した。
岸田文雄外相も、「性奴隷は不適切な表現。わが国の立場、事実については国際社会にしっかりと明らかにしていく」と述べた。
有意義な質問であり、有意義な答弁だったと思う。ところが、外務省英文ホームページの「歴史問題Q&A」(History Issues Q&A)を見ると、こうしたやり取りの影すら見られない。
「慰安婦問題に関する日本政府の見解はどうですか?」という質問項目を立てながら、慰安婦は「計り知れない苦痛と癒しがたい肉体、精神上の傷を被った」(suffered immeasurable pain and incurable physical and psychological wounds)として謝罪と反省の弁を述べ、「アジア女性基金」を通じて「償い金」(atonement money)を提供したなどとしているだけである。
この「歴史問題Q&A」は2015年11月27日に最終更新されており、外務省が有志議員、民間からの、岸田外相の言葉を借りれば「事実について国際社会にしっかりと明らかにしていく」べきだとの過去数十年にわたる声に頑なに馬耳東風である事実を示している。
「歴史問題Q&A」の慰安婦の項には、少なくとも「慰安婦は性奴隷だったのですか?」「日本軍が強制連行した女性たちだったのですか?」の二つの問いを立て、安倍首相、岸田外相の上記発言を敷衍して答とすべきだろう。
国会で現に行われた質問に、首相と外相が答弁した内容を外務省ホームページに載せられない道理はないはずだ。
宇都、中山議員らには、次は外務省ホームページを問題としてもらいたい。
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