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2013.11.14 (木) 印刷する

地球温暖化の多くは自然変動 赤祖父・米アラスカ大学名誉教授

 米アラスカ大学の赤祖父俊一名誉教授は11月8日、国家基本問題研究所で地球温暖化問題について語り、同研究所の企画委員と意見交換した。この中で、赤祖父名誉教授は過去15年間、「二酸化炭素の排出は増えているのに、なぜ地球温暖化はストップしているのだろうか」との疑問を改めて強調、温暖化に対する炭酸ガスの影響を見直すべきだと述べた。11日からポーランドで始まる第19回国連気候変動枠組条約締結国会議(COP19)での日本の温暖化ガス削減目標も当然、見直すべきだと呼びかけた。
 赤祖父名誉教授は、日本生まれの地球物理学者で、オーロラの研究で知られる。国基研の客員研究員で、中国・深圳の会議に参加しての帰路、日本に立ち寄った。
 同名誉教授はまず「自分は気候学者ではない」と断りながらも、地球が温暖化しているなら、なぜ南半球で海氷が増えているのか、と別の角度からIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)に疑問を呈した。
 地球には氷河期と温暖期が繰り返し起きており、近い過去では1000年頃「中世温暖期」があり、現在程度の暖かさであったとの証拠があがっている。当時は二酸化炭素が少なかったのに、何故なのだろうか。1200年頃から1800年ごろまでは地球全体が一度ほど低くなり、その後から2000年頃まで、また温暖化している。赤祖父名誉教授は根本的に言って「気候変動の多くは自然変動である」と明確に語った。従って、この自然変動を差し引いてはじめてCO2の影響が分かるのに、IPCCはコンピューター・シミュレーションだけに頼っている、と批判した。
 赤祖父名誉教授は、メディア、特に日本の新聞、テレビに対し、CO2の排出と地球の温暖化を短絡的に結び付けているが、何故こうした問題を取り上げないのか、とかねてからの疑問を語った。(文責・国基研)

 

13.11.8 赤祖父客員研究員