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2017.04.17 (月) 印刷する

「瀬戸際にある台湾というアイデンティティー」 許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表

 許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表は4月14日、国家基本問題研究所の企画委員会において、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと台湾情勢について語り、意見を交換した。
 許氏の経歴は、台湾出身。早稲田大学で修士、東京大学で法学博士を取得、津田塾大学教授及び同名誉教授。帰台後の2004年から4年間、台北駐日経済文化代表処代表(駐日代表)を勤めた。
 許氏は、まず台湾の国家の基本的問題は何だろうかと問う。その心は、台湾が国として生存していくことができるかという、独立に対する根源的な問いかけであるとする。現状は、国連にも加盟できず、台湾を国家として承認する国が減少しつつある。台湾の命運を握るのは、中国共産党あるいは米国などであり、その上、台湾自身が実は危機感を失いつつあるのではないかと感じているという。
 これまでは、いつの時代にあっても台湾が国連に復帰する動きがあり、今回民進党から蔡英文氏が総統選で勝利し期待感が膨らんだ。しかし、現状はまったく動かないばかりか、蔡政権の支持率も半分近く減少し馬英九政権末期の数字に近いという。内閣の布陣も「老藍男」と呼ばれ、老齢の国民党の男が牛耳っていると言われ、腰が重いという印象。今の外務大臣も国民党で、あまり改革を期待できないとのこと。
 さらに問題なのは、若い世代の考え方にある。50代60代の人々は教育の問題により台湾の歴史を勉強してこなかったため問題意識が薄い。さらに若い世代では、独立自体には賛成だが、自分たちが重荷を負うことを嫌う傾向にある。その背景の一つに米国という後ろ盾への期待があり、すぐに何かあるとは思っていないのだという。そのうえ徴兵制が見直され廃止の方向へ進む中、若者の気質にも明らかな変化が見られる状況が、自国防衛にも影響するだろうと危惧した。(文責・国基研)

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