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2017.12.19 (火) 印刷する

「韓国保守派から見た半島情勢」 ジャーナリスト・趙甲濟氏

 韓国保守派のジャーナリストである趙甲濟(조갑제)氏は、12月15日、国家基本問題研究所の定例の企画委員会におけるゲストスピーカーとして来所。韓国保守派から見た半島情勢について語り、櫻井よしこ理事長をはじめ企画委員らと、朝鮮半島の現状と今後の見通しなどについて意見交換した。

17.12.15

氏は1945年生まれ、「月間朝鮮」の編集長を経て、保守団体「国民運動本部」を創設し、現在はインターネットメディア「趙甲濟ドットコム/趙甲濟TV」代表として活動する。国基研との交流も長い韓国保守派の理論的指導者の1人。

氏はまず、韓国社会全体が大きな変化の流れにあるとして、それを代表する例として「ロウソク革命政権」という表現をあげた。この文在寅大統領によって公式化された言葉は、反共自由民主法治体制解体の兆しを示すのだという。このまま現政権の方針が固定化されると、将来的に大韓民国の正当性が否定され、反共自由体制が否定されることにもつながる危険性があるとの懸念を示した。

さらに現政権の対中政策の中で、サード(THAAD地上配備型ミサイル迎撃システム)問題を解決する過程で中国側に示した約束を、「安保主権上納事件」と称した。なぜなら、追加配備をしないと表明したことは、韓国の首都圏を守れず2500万人の自国民をあきらめること、つまりそれは韓国を北朝鮮に対し武装解除状態のままにしておくのに等しいことだからと嘆いた。

最後に氏は、昨今の韓国人の傾向として分別能力が低下しているのではないかと危惧しているとのこと。その原因の一つは、漢字教育を無くしハングルだけという世代が増えたからではないかと推測した。同時に氏は、国全体がどのような状況であっても、次の世代に韓国の伝統文化を伝えていかなければならない責任があるとも語った。

(文責 国基研)