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2018.04.13 (金) 印刷する

「2期目習近平政権と日中関係」 矢板明夫・産経新聞外信部次長

 矢板産経新聞外信部次長は、4月13日、国家基本問題研究所の企画委員会にて、中国の国会にあたる全人代を終え、任期を撤廃し2期目に突入した習近平政権が向かう未来と日中関係の展望を語り、その後櫻井理事長をはじめ企画委員らと意見交換した。
 氏ははじめに、先日北京で行われた中朝首脳会談の話題に触れた。会談時に撮影され公開された写真から読み取れるのは、中朝の上下関係であり、華夷秩序が内外にアピールされたのだという。
 次に中国共産党の組織から習近平政権の権力基盤について語った。すなわち、共産党は総書記1名、政治局常務委員会7人、政治局会議25人、中央委員会204人、党大会2300人などで構成される。そのうち、集団指導体制の鍵を握るのは政治局会議25人の動向で、習近平派は13人と見られギリギリ過半数となるが、まだ盤石だというには時期尚早とのこと。
 さらに習近平演説を学校、病院、刑務所などでも視聴をさせたというネット情報もあり、個人崇拝が進んでいると指摘。第19回党大会で打ち出された「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」は、思想というには理念的一貫性がなく、ただ今世紀半ばまでに中国を社会主義強国にする、法治国家を目指す、人民解放軍の強大化などのお題目の羅列に見えるが、当面はその方針を実現するように動くという。
 最近の米中貿易摩擦については、沿海部での企業倒産が相次いでいる現状からすると、対米報復関税は結局、中国国内の経済を縮小させると指摘。このままでは中国に勝ち目はないという。
 今年の日中関係については、中国が対日関係を修復する方向ではないかという。その理由は①中国経済の失速②外交的孤立③日台の接近④南シナ海への関与を警戒⑤日米分断などと分析。外交上は、5月に李克強首相が来日する予定で、これが日中関係修復を加速させ、習近平訪日の地均しにしたいのではと指摘した。
 このような情勢の下、わが国は対中独自外交を展開するチャンスであり、東シナ海での摩擦や日本人スパイ容疑者8人の帰国などの問題に早期に対処すべき時だと強調した。
矢板氏は、1972年中国天津市生まれ。残留孤児2世として1988年15歳のときに帰国、1997年慶応大学文学部卒、松下政経塾、中国社会科学院大学院を経て2002年産経新聞入社。2007年4月から2016年11月まで中国総局記者として中国に駐在したのち現職。(文責国基研)

18.04.13