1月11日新年最初の国基研企画委員会は、ゲストスピーカーとして、外交上の課題が山積する韓国を担任する外務省アジア大洋州局北東アジア第一課長の長尾成敏氏を招き、「旧朝鮮半島出身労働者問題」について意見交換した。
課長はまず、わが国の基本的立場を述べつつ現状を概観した。
「旧朝鮮半島出身労働者の問題を含め、日韓間の財産・請求権の問題は、1965年の日韓請求権・経済協力協定により完全かつ最終的に解決済み」との立場を堅持し対応していると説明。
昨年10月30日の韓国大法院判決では「強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権は、日韓請求権協定の対象として含まれない」と判示された。この判決は11月29日の判決にも踏襲されたが、それに対し「日韓の友好協力関係の法的基盤を根本から覆すものであって、極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできません」とした外務大臣談話を紹介し、「国際裁判や対抗措置も含めあらゆる選択肢を視野に入れ、毅然とした対応を講ずる考え」を表明した。
(文責国基研)