第243回 ロシア・中国・北朝鮮による核脅威の時代 米国の国防3文書が発表された。海洋発射型戦術核ミサイル開発取り消しの理由はロシアとの取引。日本はバイデン政権の対中政策を過大評価せず、穴の開いた核の傘に自ら向き合う時だ。
櫻井よしこ 国基研理事長
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第244回 米中間選挙の争点は何か。 米中間選挙が迫って来た。争点は何か。少なくとも米民主党が騒ぐ妊娠中絶問題は争点でない。この問題は、1973年の判決(中絶は憲法上の権利)を否定した6月の連邦最高裁判決を巡る賛否。これをよく読むと「裁判所には決定権がなく各州に任せる」と。これはごく常識的な判断といえるがリベラル派が中間選挙に向け政治問題化したいだけ。それより争点は景気・雇用対策だ。
島田洋一 国基研企画委員兼研究員
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第245回 朝鮮人戦時労働者問題 日本の判決と真逆の韓国の最高裁判決(2018年)は、国家間の条約を完全否定した国際法違反行為。だから日本は原則を堅持し妥協してはならない。さらに韓国が主張する財団方式の誘いも危険だ。この問題の裁判は63件あり、原告は1000人以上いるが、後々誰に支払うかで失敗するのは目に見えている。
西岡力 国基研企画委員兼研究員
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第246回 英国の新首相スナク氏の対中姿勢に注目 インド系初の首相は旧植民地インドからは大歓迎。英印関係には好影響。他方、彼はジョンソン政権の閣僚時代、対中経済関係を重視する姿勢だった。しかし保守党党首選で突然対中強硬派へ豹変した。いつまた変節するか不安が残るスナク氏の言動には要注意。
冨山泰 国基研企画委員兼研究員
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第247回 米国の国防3文書が同時に発表 「国家防衛戦略NDS」「核態勢見直しNPR」「ミサイル防衛見直しMDR」、そのうちNPRに同盟国として看過できないことが。海上発射型戦術ミサイルが開発取り止めとなった理由が、ロシア非戦略核ミサイル制限交渉のバーゲニング。言葉では対中抑止・拡大抑止というが米国の目はロシアに向いている。日本は我が事として考えるべし。
太田文雄 国基研企画委員兼研究員
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第248回 小型核融合炉、まだまだ実用段階には遠い。 小型核融合炉に前のめり発言が巷間見られるが、まだまだ実用段階には遠い。フランスで国際熱核融合実験炉ITER(イーター)が建設中だが広大な敷地と巨大な施設には費用と時間がかかる。核融合は重要な研究だが、まずは日本も出資するITERを成功させてから、長い目で国費を投入していくことを期待する。
奈良林直 国基研企画委員
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