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2011.10.12 (水) 印刷する

投機目的のギャンブラーこそ問題 会員 舘健治

 中小企業の為替デリバティブ取引による損害が金融機関の責任か自己責任かという議論となっているようですが、そもそもFXの様な実需に基づかない取引と、輸出入決済の実需に基づいた取引とを分けて考える必要があると思います。
 実需に基づいた為替取引であれば、実際の経済力や輸出入の実力が反映され、為替レートは緩やかに変動して行くのではないでしょうか。輸出入企業が実際に必要なドルを予約しているマーケットで、投機目的のギャンブラーがコンピューターを使い大きな資本でプレーしており、その結果、為替相場が単なるギャンブル場になっていることが問題です。
 製造業者が大変な努力をしてコストを下げても、どこかのファンドが円を買うだけで、その努力は意味の無いものにされてしまいます。少なくとも、為替レートは実需に従って相場を形成し、ギャンブラーはそこで決まる為替レートに従って購入・決済するようにすれば少しは問題を解決でき、中小企業の社長に責任があると言われても納得できると思います。
 民主党政権が米の先物取引相場を始めるようですが、もともと日本で米の先物取引を行っていたのを、問題があるとして止めた経緯があります。現在いろいろな商品で先物取引相場がありますが、全てギャンブル場となっており、その結果、実際の製造者と需要者が迷惑をこうむっているのではないでしょうか。