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2012.10.16 (火) 印刷する

日本のミャンマー対応は4Lとの不満も 工藤・JETRO主任研究員と意見交換

 工藤年博・日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所主任調査研究員は10月12日、国家基本問題研究所で、「ミャンマー経済と対中、対日外交」について語り、同研究所企画委員と意見交換した。
 この中で、工藤研究員はミャンマー経済にとって貿易、投資共に中国の存在は圧倒的に大きいが、ミャンマーの民主化改革で変化が生じていると指摘。ミャンマー軍政を支援、資源を搾取する中国の負のイメージが広がっている、と述べた。ミッソン水力発電プロジェクトの凍結は、新政権が国民の圧力を受けて決定した、という。また、米国の対ミャンマー関係の改善は、中国にとっては懸念材料で、ミャンマー政府はこれを対中バーゲニング・パワーの向上に利用している、と述べた。
 一方、ミャンマーにとっての日本の重要性が再浮上しているが、日本の具体的な行動が遅いことに不満も出ている。同研究員によると、相次ぐ日本からの調査団の訪問に対し、4L-Look,Listen,Learn,leave(見聞き学んで帰る)―の皮肉が聞こえてくるという。工藤研究員はミャンマー政府との間で継続的なハイレベルの対話が必要であると強調している。

(文責 国基研)