国家基本問題研究所は3月7日、米議会調査局アジア専門官のラリー・ニクシュ氏を企画委員会に招き、米国の北朝鮮政策について意見を交換した。ニクシュ氏は席上、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の合意文書が北朝鮮に義務づけた核計画の申告について、ブッシュ米政権が要件を緩和しようとしている兆しがあると述べ、同政権が北朝鮮に一層譲歩する可能性を指摘した。
同氏は、ブッシュ政権の北朝鮮政策が変化した背景には、核問題の先送りを狙う中国の影響がうかがえると分析した。
また、もし米朝が核申告の要件緩和で合意し、それが6カ国協議で承認されれば、北朝鮮に提供される重油や軽水炉の資金を日本も分担するよう求める圧力が増し、拉致問題の進展を優先する日本は難しい決断を迫られると警鐘を鳴らした。
さらに、日本は米国の方針を支持するとブッシュ政権に見くびられており、北朝鮮政策の変更は新たな「ジャパン・パッシング(日本素通り)」だと言明。中国の台頭に対抗して、日本の意見を米国にどう聞き入れさせるかが日本外交の課題だと述べた。