公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

2014.09.17 (水) 印刷する

韓国人に男の責務と恥を問う米国人 島田洋一(福井県立大学教授)

 かつて米陸軍特殊部隊グリーン・ベレーに所属し、明確な保守的理念を持つゴードン・ククリュ氏に、『誕生時点で引き離されて-いかにして北朝鮮は邪悪な双子となったか』(Gordon Cucullu, Separated at Birth: How North Korea Became the Evil Twin, 2005)という著書がある。長い韓国駐留経験に基づく優れた朝鮮半島論である。
 しかし、この本には重大な欠陥がある。エピソード的に触れた慰安婦問題がそれで、基本的な誤認が空想の中で歪曲に次ぐ歪曲を膨らませ、どこまで現実から遊離しうるかを示す標本の相を呈している。
 まず、慰安婦は挺身隊(body donating corps)とも呼ばれ、日本兵たちは上官から、彼女らを出来る限り野蛮に非人間的に扱うよう命令され、友人関係あるいは恋愛関係に入ることは厳禁であった、とした上、ククリュ氏は次のように続ける。

 「この行為を一層忌まわしいものとするのは、日本側が意図的に、若い女性、というより12才から16才までの少女を、慰安婦として手に入れようとした事実である。日本側がこの年齢層を狙ったのは、厳格で、やや清教徒的な韓国社会では、この年の少女はまず間違いなく処女であり、したがって性病にかかっていないと知っていたためである。……
 したがって、女性を拉致するために送り出された日本の一隊は、できるだけ若く健康な女性を目指した。……20万人近い韓国女性が拉致され慰安婦として送り出されたのではないかと思われる。
 ほとんどの慰安婦が生きて終戦の日を迎えられなかった。非常に多くが虐待と兵士から移された病気によって死んだ。故郷に帰っても歓迎されないことを知悉し、機会を得て自殺した者もいる。……多くの場合、撤退に当たり、日本軍は彼女らをその場で殺害した。いわば証拠を消したわけである。
 悲しいことだが、予見しえたとおり、わずかに生き残った女性たちは、故郷から拒絶された。彼女たちは、韓国の男たちが、社会における男の最も基本的かつ本質的な責務、すなわち女性を守るという責務を果たせなかったことを示す、生きた、目に見えるシンボルであった。
 責務を果たせなかった韓国の男たちは、日本に対し怒りの念を抱いたが、同時に理不尽にも、女性たち自身にも怒りの矛先を向けた。その結果、慰安婦にまつわるあらゆる問題は、おおむね、恥をさらされたくない韓国人と、強く事実を否定し、今もしつづける日本人によって、暗黙の内に無視されてきた。
 数名の生き残った女性たちが、60才を過ぎ、苦痛をもはや封じ込めておけず、大きな、正当な、そして長く押さえられてきた声を上げることによって、はじめて事がおおやけになった」(引用終わり)。

 朝日新聞が、吉田清治証言を用いた慰安婦強制連行という意図的誤報を32年間も意図的に放置したことが、こうした無知な第三国の著作者によるさらなる空想話を生んできたわけである。
 もっとも、なぜ韓国で戦後長く「無視」されてきた娼婦の存在が、何十年も経って突如「慰安婦問題」として急浮上したかを、説明を要する点と捉えた著者の感覚は正しい。
 強制連行・性奴隷化が事実だったとすれば、「責務を果たせなかった韓国の男たち、恥をさらされたくない韓国人が、理不尽にも女性たち自身に怒りの矛先を向け」日本の共犯者として事実を抑え付けてきたという説明が、確かに最も合理的に響こう。
 一体、韓国人、特に韓国の男たちは、そうした誤認が国際社会に広まることを恥としないのか。メディア各社は取りあえず、慰安婦問題で日本を居丈高に批判してきた尹炳世(ユン・ビョンセ)外相当たりに問い質してもらいたい。

国基研ろんだん

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