もし韓国政府やメディアが、「朝鮮戦争中に米軍が20万人の朝鮮人女性を強制連行し性奴隷にした」と国際的な虚偽宣伝を始め、ソウルのアメリカ大使館前や第三国の公園に「性奴隷少女像」を建て始めたら、元軍人でもあるリチャード・アーミテージ氏(元国務副長官)はどうするだろうか。
「米軍へのいわれなき中傷を許すな。オバマ政権は、米韓相互援助条約の破棄も視野に、直ちに虚偽宣伝を止め、像を撤去するよう韓国政府に強く申し入れよ」。おそらくそう主張するだろう。当然である。
米大統領が当然なすべきことを、では、なぜ日本の首相がしてはならないのか。同氏やその他「知日派」とされる人々に取材するメディアは、ぜひそう問いかけてもらいたい。
ロナルド・レーガン大統領はベトナム戦争について、「われわれの、最も嘘が振りまかれてきた戦争(our most lied about war)」と述べ、米軍の行為をめぐる誇張や捏造にはしっかり反論すべきとの態度を取った。
そうした誇張、自虐史観の発信源の一人がジョン・ケリー現国務長官である。ケリーは1971年4月、若き帰還将校の代表として、戦友たちの戦争犯罪を米議会でこう証言した。
「彼らの話によれば、(ベトナム人に対し)時に自ら強姦し、耳を削ぎ落とし、首を撥ね、携帯用電話のワイヤーを生殖器に貼り付けて電流を流し、手足を切り落とし、爆殺し、手当たり次第民間人に向けて発砲し、ジンギス・カンを思わせるやり方で村々を徹底的に破壊し、気晴らしに家畜や犬を撃ち、備蓄食糧に毒を入れ、そして戦争に伴う通常の破壊、わが国の爆撃力を通常におよびきわめて特殊に用いた破壊に加えて広く南ベトナムの田園地帯を破壊した。……」。
米保守派は未だにこのケリー証言(詐話)に強く反発している。ベトナム政府は賢明にも、河野談話ならぬケリー証言を盾に国際的な反米キャンペーンを張るような事はしていない。が、仮にそうした行為に出て、戦犯が眠るアーリントン墓地への米大統領訪問に日本も反対してくれと言われても、日本政府は謝絶するだろう。アメリカも同様の「われ関わらず」(hands-off)的アプローチを取るよう、上述のような例も挙げ、日本からさらにプッシュすべきである。
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