公益財団法人 国家基本問題研究所
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国基研ろんだん

2015.02.10 (火) 印刷する

民主党の元外相に見る「植民地根性」 島田洋一(福井県立大学教授)

 民主党の前原誠司元外相が2月6日、TBSのテレビ番組で、安倍晋三首相が8月に出す予定の「戦後70年談話」について、「極めて危険、間違ったメッセージを与える可能性がある」、「(村山談話に明記された)植民地支配と侵略などの文言を踏襲すべき」、「全体として引き継ぐといっても、そういう言葉が落ちれば引き継いだとみられない」などと述べたという。
 前原氏は自らの立場を補強するため、米議会調査局が1月に出した日米関係レポートに言及し、「調査局は『安倍さんは歴史修正主義者である』と言っている。それに対する懸念は非常に米国で高まってきている」、「同盟国の米国から懸念を持たれることは、日米同盟関係、地域の平和と安定を維持していくために非常にまずい」等々、「米国の懸念」を引き合いに出している。
 この調査局レポートは、慰安婦を「強制連行・性奴隷」のイメージで描くなど、バランスの取れた勉強が出来ていない筆者によって書かれている。前原氏はそうした点に何ら触れていない。
 国会議員なら、日本の名誉のため、まず米国における誤認を正す努力をすべきだろう。ところが前原氏は、逆に誤認を政争に利用する道を選んでいる。いや、誤認と知るだけの歴史知識、国と先人の名誉に対するごく普通の思いすらないのであろう。まさに「植民地根性」ではないか。
 前原氏らにおける「親米」は、宥和・事なかれ主義の国務省への迎合、東京裁判史観の無批判受け入れ以外のものではない。
 以前私は、氏の対北朝鮮姿勢を「なんとなくクリス・ヒル」と評したことがある。金融制裁解除など宥和策に走ったクリストファー・ヒル(国務次官補)路線に何となく追従したという意味である。
 外国の誤った対日認識に寄り掛かって政権叩きに走る人物が、数年前まで外相の地位にあったことを、改めて恥ずかしく思う。
 なお、下記「直言」も参照頂きたい。

【第238回】戦略的思考を欠いた元外相の講演(2014.03.17)