日本政府は北朝鮮が念入りに「作成」し、出してくる拉致被害者の「遺骨」など、決して唯々諾々と受け取ってはならない。
それは、相手の欺瞞工作に実質的に協力する結果となる。
北は、拉致被害者の遺骨は洪水で流されて存在しないと繰り返し言明してきた(それ自体も欺瞞ではあるが)。今になって遺骨を出してくるとすれば、最近になって殺害したものと見なす他ない。非人道的な工作を抑止するためにも、遺骨は受け取らずとの方針を、日本政府はあらかじめ明確にすべきだ。
受け取るのは生存者リストのみ、協議すべきは帰還の日程確定のみ、が基本姿勢でなければならない。
6月16日、参議院議員会館講堂で行われた拉致議連総会での横田早紀江さんの次の言葉は、情報戦の観点からも、まさに本質を突いた重要発言である。
■横田早紀江さん発言
報告書ではなく、生きた姿で祖国の土を踏ませてやってほしい。最悪の場合、捏造した遺骨を出してくるかもしれないが、我々は受け取らないし、政府も受け取らないでほしい。